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千歳忍の独り言

なんでも解説!

2002年 10月

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もくじ


10月4日・・・・・GOPとClosedGOPとtag 'n seek
10月9日・・・・・TMPGEncとsasami2k
10月24日・・・・・光ファイバ化 その1、ルートサーバ攻撃さる

 


10月24日
秋晴れは長く続かないもので


 光回線化

 ADSLで自宅サーバを上げてきたのですが、そろそろキツくなってきました。
 1.5Mbpsから8Mbpsサービスに変更し、下り1.3Mbps、上り512kbpsから、下り5Mbps、上り800kbpsと、まあまあ優秀な数字を叩いてはくれるのですが、やっぱりADSLはADSL。上りの遅さが気になってきました。
 一般の人がwebなどをブラウジングする場合、下りが速いADSLは非常にグレートな訳です。メールを送信しようとすると遅いな、と思える訳です。
 サーバはこれが逆になります。
 情報を送り出す側になるので、上りの帯域が多く必要で、下りはそれほど重要じゃなくなってくる訳です。ADSLでサーバを上げると、大量のアップロードは問題ないけど、小数のダウンロードでもたつく、という本末転倒な状況になってしまう訳です。
 もっとも、周りのユーザもADSLですので、お互いのデータの出力速度が遅い → 結果として、500~800kbpsしか速度が出ないということになるのです。
 いえいえ、コレでも1:1ならいいのですが、ブロードバンド環境のユーザが増えてくるとそうも言ってられなくなってきます。


 どっちにしても1Mbpsしかでない図

 最近流行のP2Pにしたら? と言われそうですが、情報はある程度まとまっていた方が管理し易いのですよ。掲示板とか各自で持ち回ってたら、最新情報がいつ届くか分からないでしょ?

 ようやく光ファイバ

 私の住んでいる地域は、微妙に光ファイバの通りが悪く、Bフレッツ以外の選択肢がありません。通ってるだけマシなんでしょうけどね。
 ほんの隣の区画に行けば、有線ブロードネットでも、TEPCO光でもなんでも来ている超優良区画なのですが、これは如何せん引っ越しでもしないと解決しないので問題です。
 しかたないので、Bフレッツのベーシックタイプにする事に。(固定IPをいくつかもらう関係上、ファミリーは)

 マンション → マンション宅内で分配(VDSL)
 ファミリー → 10Mbpsを近隣でシェア
 ニューファミリー → 100Mbpsを近隣でシェア
 ベーシック → 100Mbpsを占有
 ビジネス → 100Mbpsを占有

 旧来は、ファミリー、ニューファミリーは同時セッション数が1、ベーシックが2、ビジネスが4だったのに、フレッツスクエアなどの使い勝手が悪いということで、ファミリー、ニューファミリーの同時セッション数も2になっちゃいました。どうするんだ! 売る気ないだろスタンダード!!
 一応、ファミリー、ニューファミリーは、近隣数世帯でシェアという名目になってますが、近隣でそんな光ファイバ引いてる所があるとも思えないので、事実上占有使用です。
いいですねぇ。

 複数の固定IPアドレスを使用する場合、unnumbered(LAN型PPPoE接続)に対応したルータが必要になります。(1個の場合は、DHCPで固定が割り当てられると思う)
 サーバを公開するには、静的NATによるアドレス変換で行うこともできますが、複数のマシンのWebサーバをポートを変えずに表示するなんてことは出来ないし、いろいろ制限が出てきます。
 unnumberedは、PPPoEで取得したIPアドレスを廃棄し、前もって設定されたIPアドレスを有効にしてくれるという機能です。これにより、PPPoEセッションでありながら、グローバルアドレスのサーバを立上げる事が可能という事になります。
 比較的小規模で、クリティカルなサーバじゃなかったら、これで十分じゃないでしょうか?
 帯域保証や、接続保証が欲しかったら、こんな安い回線使ってたらだめよ~。PPPoEなんて、どれぐらい安定するやら分かりませんし。

 と言う訳で、今のところチェックしているルータはこれ!
 PCIのBRL-04FM 13000円ぐらい。スループットは80M
 マイクロ総合研究所のNetGenesis SuperOPT90。実売20000円。スループット67M。
 NTT-MEのBA5000Pro。実売15000円。スループット30M。

 PCIは、個人的には余り好きではないのです。マイクロ総合研究所のSuperOPT90がいいかなぁ? でも、2セッション同時接続出来ないらしいし。機能が一番多いのがBA5000Proなのですが、今となって30Mbpsのスループットはちょっと回線の速度を無駄にしている気がして勿体ないです。
 業務用で使うので、もう少し高くてもいいから、安定してて、機能が豊富なのはないかなぁ。パーソナル向けの上の業務用は、急に値段が跳ね上がるんですよ。前に買った1.5Mbps用のヤツは、メディアコンバータ(光→Ethernet)は40万ぐらいしたしなぁ。
 とまあ、光ファイバ化計画は随時レポートして行きます。

 ルートサーバにDDoS攻撃

 最近一番びっくりしたニュースがコレ。
 あまり大きな報道はされてませんが、インターネットの根幹を揺るがしかねない大事件になったかもしれないのです。

 日本時間22日午前5時45分。
 ルートサーバにDDoS(Distributed Denial of Service、分散型サービス拒否)が始まりました。
 犯人は、あらかじめトロイの木馬などで一斉攻撃プログラムをばら撒いておき、多数のサーバーを踏み台にしたのです。一斉に大量のデータを送りつけることで他のデータを流れにくくし、サービスを実質的に停止させようとしたようですが、実際に攻撃に至ったのは13台のうち7台。
 そのうち、比較的細い回線に繋がっていた1台のみが「微妙にアクセスしづらい」程度に被害をうけたものの、それ以外は強大なバックボーンに直結していためかほとんど影響ナシ。

 そもそも、ルートサーバが何かといいますと、DNSにおいて、最上位に位置するまとめ役となります。DNSは、ドメイン名(www.freehouse.jpなど)をIPアドレス(192.168.0.1など)へ変換する(またその逆)仕組みです。
 WWWなどを閲覧すると、www.freehouse.jpはどこにある? と問い合わせを最寄りのDNSサーバに聞くと、そのサーバが知らなければ、さらに上位の、さらに上位の、というようにDNSを聞いて回り、最終的に最上位に当たるサーバーが、このルートサーバというもの。
 ブラウジング、メール、IRCなど、ほとんどのものがDNSを利用しています。
 コレを完全に停止させることができたならば、事実上インターネットを停止させる事になるという震撼ものなわけです。
 ルートサーバは、アメリカ、日本、EUに分散され、13個存在します。
 そのうち、6個が動いていれば、一般的なユーザーにはほとんど問題にならないということです。

 関係者も、そろって「象に蚊がとまったみたい」と言っており、その強固さを改めて認識する次第(日本のルートサーバは、もっとも幹線の太い大手町にあると思われる)。
 ルートサーバのアドレスは公開されている(でないと、そこにぶらさがるDNSが設定できない)ので、比較的攻撃目標にし易く、問い合わせも多いサーバなので、根本的な防御は難しいようです。
 もっとも、攻撃が長引けば、怪しいパケットの拒否や中継サーバの停止などの措置も取れますし、ネットワークからの攻撃は、思いのほか難しいのかもしれません。

 最近のご時世を考えると、爆発物を積んだ車がビルに突っ込み... なんて方が確実に機能を停止させられると思うのは気のせいでしょうか?

 本日の一言 「今月はコーヒー推進月間です」


10月9日
今週末は社員旅行です  

TMPGEncとPowerDVD

 8月23日のコラムの最後に書いた「メディアクルーズ立上げてないと、キャプチャしたファイルがTMPGEncで編集できないんだけど、それってウチだけ?」という件、ようやく原因が分かりました。
 どうやら、PowerDVDのバージョンアップが原因だったようです。

 TMPGEncは、自前でデコードエンジンを持っていないので、他のソフトのデコーダを使う事になります。千歳の場合、それがPowerDVDだった訳です。
 少し前に公開されたPowerDVDの最新パッチから、どうも画像表示の仕様変更があったらしく、映像を表示する際に、強制的にオーバーレイ表示をしてしまうのです。TMPGEncはオーバレイされた映像は扱えませんから、結果として「開けないファイル」という扱いになっていたのです。
 ですので、メディアクルーズを立上げたり、他の動画を開いた状態にしておけば、TMPGEncは動画を取得できるのです。なぜならば、オーバーレイ出来る画面は1つだけだからです。メディアプレイヤー等でオーバレイを使用中にして置けば、万事解決と言うものでした。
 極力オーバレイ表示をする、というのは最近のDVDプレイヤーソフト共通の風潮らしく、このままで行くとエンコードなど、通常のが面取得を行うソフトには困った時代が来そうです。(WinDVDなどは、既にこのようなタイプになっていると報告もありました)

 TMPGEnc側としても、MPEG2のデコーダを搭載するなどの方向で開発が進んでいるようなのですが、このデコーダにはライセンス費用がかかるなどの点もあり、フリー版での利用は難しそうです。PLUSや、PROバージョンでのみということでしょう。
 どうせ、画質重視のエンコーダです。デコードする際もオーバーサンプリングして一般のデコーダよりも高画質化して欲しいですね!

 高画質プレイヤーソフト

 面白いソフトを発見しました。sasami2000(sasami2k)ってヤツです。一瞬、昔のアニメのキャラ名かと思いましたよ。
 そんなに新しいソフトじゃないけど、余り使われてないみたい。何しろ韓国産。文字がバケバケで読めない! って事もなくて、日本語化パッチも出ておりますので、ちょほいと探してみてください。
 これのすごいと思う所は、DirectShowを駆使して、自前のフィルタを掛けたりコントラストや色調の調整ができる事。それ以外にも、オーバーサンプリングして、画質を高める機能があり、ビットレートがちょっと足りてないようなmpeg画像なんかも、かなりきれいに補正して再生してくれます。
 ツールバーをオーバーレイ上に表示するので、DVDMAXや、シアターモードなど、TVへ出力してる環境で、TV上にツールバーを表示することができます。これも、すごいなぁと思う次第。CPUパワーでどんどん画質を上げられるプレイヤーソフト。久しぶりにすごいなぁと思いました。
 ただし、千歳の場合、ちょっと安定性にかける印象を受けたので、今は使っていません。動作させて見て、各自の環境でテストして見る事をお薦めします♪

本日のキーワード「IBMがAIX 5L Version 5.2発表」


10月4日
すっかり秋

MTVの無圧縮AVIキャプチャドライバ

 MTV1000/2000の無圧縮AVIキャプチャドライバは、DOS/V PowerReport誌2002年9月号のみの掲載の予定でしたが、その後のDOS/Vマガジンや、DOS/V PowerReport誌の11月号などにも掲載されているみたいです。
 なんだかバージョンアップの気配もあるみたいだし、また雑誌買わないといけないのかなぁ。
 掲示板などを覗いていると「どこに有るの?」「アップして」なんてのが目立ちます。べらぼうに高い雑誌ではないので、それぐらいは買いましょう。
 ちなみに、相当にハードウェアのレベルが高くないと、満足にキャプチャできませんから「くれくれ~」とか言ってる人には無用なものだと思います。

GOP

 さて、MPEGファイルは、GOP(Group of Picture)単位で扱います。
 (これが、後から編集がやりにくいと言われる由縁です)
 これは、時間圧縮(前後のフレームとの差分)している為であり、各フレームは独立してはいないからです。
 一般的なMPEG2のGOPは「IBBPBBPBBPBBPBB」となっていますが、はて、何の事じゃ?という感じですね。
 Iフレームは、GOPの基準となります。空間圧縮のみ(DCT(離散コサイン変換)をベースとした一般的な圧縮方式です。Motion-JPEGや、DVと同じと言っても構いません。
 Pフレームは、時間軸に対して、順方向に予測を立て、Iフレームとの差分を記録します。これにより、Iフレームより効率よく圧縮する事が出来る、というわけです。
 Bフレームは、前後フレームとの差を予測して圧縮します。Pフレームよりも更に効率よく圧縮できる、と言う訳です。

 ですから、より良い圧縮率を求めるのであれば、Bフレームを多めに。
 逆に、高画質を求めるのであれば、Pフレームや、Iフレームを多めにすればよいことになります。
 もちろん、画質と容量は両立しませんので、さじ加減が難しい、ということになります。

CLOSED GOP

 編集し易いように、とCLOSED GOPの設定をもったものも多いと思います。
 CLOSED=閉じているGOPというのはどういうものかというと、「IBBPBBPBBPBBP」となっている事が多いようです。
 何が違うのかと、よく見て見ると、最後の2フレームの「BB」が無くなっています。
 Bフレームは、先程の説明通り「前後の予測をする」フレームです。編集などで、次のGOPのIフレームが無くなると、予想できない画像が出る事が有ります。これを踏まえて、最後のBBをなくす事によって、GOP単位で映像が独立するので編集がし易くなるのです。(その分、微妙に圧縮率が悪くなります)

 本当に1フレーム単位で編集したい場合は、キャプチャ時に「Iフレームのみ」という選択のあるキャプチャカードをもあると思います。
 これは、前後予測を全く行わない方式ですので、いわゆるMotion-JPEGや、DVと等価になります。圧縮率無視した方式で、これをMPEGと言えるのかは難しいですか、1コマ単位の編集が可能な便利な方式ですので、活用しない手はありません。
 その分、容量も増えて行きますので注意しましょう。Iフレームのみで15Mbps/CBRと、CLOSED GOPで15MBPS/CBRでは、絵的には後者のほうが奇麗かもしれませんから。

 IBMの新HDD

 「Deskstar 180GXP」が発表されました。これ“tag 'n seek”という新機能が搭載されたようで、従来機に比べて25%近く高速化したと、強気の発言が有りました。
 うう~ん、これ、ただの、タグ付きキューイングの事だよね?
 IDEのドライブでは世界初かもしれないけど、SCSIの世界では当たり前に使われている技術で、そんな大げさな話じゃないと思います
 IDEのドライブは、通常、「1つのコマンドを受け取る」「反応する」を繰り返します。PIOの場合は全てをCPUが処理し、待つ訳ですから非常に効率が悪いのです。DMAでも「1つのコマンドを受け取る」「反応する」という処理自体はなんら変わらず、CPUがやっていた事をDMAコントローラがやってくれているだけです。
 タグ付きコマンドキューイングは、ドライブに要求の来たコマンドにタグをつけて、もっとも効率のいい順番で実行します。複数のコマンドを一度に受け取れるので、非常に効率が良くなります。結果、シークが最小限になり、高速にアクセスが出来るのです。細かなアクセスを効率良く動作できるので、ランダムアクセス環境では、絶大な効果を発揮します。
 よく、SCSIのBIOS設定の中で「TCQ(タグ付きコマンドキューイング)のタグ数を設定する」という項目を見ることができるものもあります。
 ようやくIDEも、ここまで来たか、という感じですね。
 あとは、シリアルATA化を待つばかりです。

 本日の一言 「HDDが足りないでやんす!」



当ページは「千歳忍」の独り言です。
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