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Goldfinger
ゴールドフィンガー

1964年
主演:ショーン・コネリー

 しょっぱなから笑いを誘う装備(?)が登場します。水面を泳ぐ鳥の正体がわかったときの映画館の客席の笑い声が聞こえてくるようです。
 そして水から出てきたジェームズ・ボンドが潜水服を脱ぐとこれまた・・・。普通そんな格好で水に潜らんだろうという服装です。
 ぐっと心をつかまれるようなオープニングから、この映画も始まるわけです。

 今回の敵はゴールドフィンガーという、金にとりつかれた小太りのさえないオヤジ。
 しかししょっぱなから、裏切り者の女性を殺して全身に金のペイントをするあたりの異常ぶりで、タダモノではない存在感をかもし出します。(この、金のペイントをされた女性の死体のシーンって、めちゃくちゃ有名らしいですね。)
 最初はトランプのイカサマをボンドに邪魔されたりして、非常に間抜けなイメージだったゴールドフィンガーも、物語が進むにつれてだんだん手強い敵に見えてきます。

 というか、今回のジェームズ・ボンドは格好悪いシーンが多い気さえしてきます。
 まず、ふたり続けて味方の女性をゴールドフィンガーに殺されてしまいます。実際にふたりを殺すのはゴールドフィンガーの用心棒のオッドジョブという東洋人(これまた小太りのオッサン)ですが。
 それから、Qの自慢の助手席が飛び出すアストン・マーチンを駆使しながら逃走するシーンでは、鏡に映った自分の姿によってヘマをやり、敵に捕まってしまいます。
 もうひとつあげれば、ゴールドフィンガーに捕まったときに外に連絡をしようとするのですが、これも失敗に終わります。
 基本的にこのころは、「格好いいボンド」よりも「おもしろい映画」ということに力を入れて制作されたのかなあと思います。

 さて、ゴールドフィンガーの用心棒のオッドジョブですが、「私を愛したスパイ」や「ムーンレイカー」に出てきた"ジョーズ"に代表される、ボンド映画の名物「個性的な敵の用心棒」の第一号だと言ってよいでしょう。
 このオッドジョブの使う武器が、フリスビーのように投げて相手を切り裂く鉄製の帽子。その帽子で石像の首を落としてみせたり、太い高圧電線を切断したりと、オッドジョブはいろんな芸をみせてくれますが、さらに、ボンドがいくら殴っても平気な顔をしているという異常に頑丈な肉体も持っていることが判明します。

 このオッドジョブとボンドの最後の一騎打ちはまた素晴らしいです。
 ほとんど無敵のオッドジョブの前で打つ手なしといった状態から、ボンドは非常にスマートな逆転劇で勝利をおさめます。
 映画だからこんなにうまくいくんだとわかってはいても、見るたび「おお、格好イイ!」と思ってしまう、小学校の時から大好きな対決シーンです。

 それから後半の見どころとして、アクロバット飛行機から噴射される毒ガスで、町中の人間がバタバタと倒れていくシーンがあります。
 私がそれを最初に見たのは小学校に入る前だったと思いますが、おさな過ぎて映画の内容はまったく理解できなくても、そのシーンだけは強烈に覚えてました。
 このシーンに関してもまたどんでん返しがあるのですが、ネタばらしをするつもりはないので、どういうことなのかはご自分でご覧になって確認ください。

 この映画のボンドの勝利の決め手は、とっさの機転とかではなく、女性をとりこにするボンド自身の魅力でした。つまり、敵の女性を寝返らせることによりゴールドフィンガーから勝利を勝ち取るのです。
 実際、映画の後半はボンドがずっとゴールドフィンガーに捕まったままで、「こんなことでいいのかぁ!」という感じですが、捕まっていれば捕まっているなりに、ボンドはいろいろ活躍します。
 一番好きなのは、独房から逃げ出すときのその方法。
 ショーン・コネリーのひょうきんさがにじみ出ていて最高です。
 あの時、看守に見せるショーン・コネリーの笑顔は必見ですので、ファンの方は必ず見てください。

2002/01/27
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