【埴】というのは赤い粘土質の土のことで、【埴生】は、@埴の土の意、A埴を壁に塗った粗末な小屋の意味があります。【埴生の宿】は、貧しくとも我が家は我が家、何にも勝る素晴しいものだ、という意味です。平忠度の<旅宿の花>、♪行き暮れて木の下陰を宿とせば 花や今宵の主ならまし♪に相通じるものがあります。→「青葉の笛」。また、「我は海の子」の♪煙り棚引く苫屋こそ我が懐かしき住み家なれ♪もあります。この歌はまた、市川昆監督、安井昌二の水島上等兵役「ビルマの竪琴」のなかで、数千の英国軍に包囲された日本の小隊が日本語で歌い始め、英軍が英語で唱和して、両軍が歌を通じて意思の疎通を行い、戦闘を止める事となった、という感動的な場面にも使用されました。 |