*2013/MAR/12
 Antonín Dvořák(アントニーン・ドボルザーク、1841年9月8日~1904年5月1日)は、日本語表記では、ドヴォルザーク、ドボルジャック、ドゥボラーク、ドヴォルザックなどとさまざまな呼び方をされます。様々な国の様々な発音の一つが「これだ!」と採用された結果でしょうが、それじゃあチェコ語のスペル表記で、といっても私のPCでは簡単には<ř>を表現できない始末です。Beethovenにしても英語では<ビーソヴェン>と聞こえるでしょうし、独逸語では<ベートホーフェン>を早く発音すると<べートオウフェン→ベートーヴェン→ベートーベン>と聞こえるのでしょう。筆者も中国では、<ペイフォァン>と呼ばれていました。(^_^; 
 ドボルザークはチェコのネラホゼベス出身で早くから音楽の才能を発揮し、渡米以前、既にチェコ国民楽の重鎮として全欧的に評価されており、死亡した際にはチェコで国葬が営まれた程の作曲家でした。41歳のときニューヨークのナショナル音楽院に望外の報酬をもって招聘され渡米しましたが、当時はアメリカの西部開拓も終わりを告げる頃で、先住民族(ネイティブ・アメリカン=いわゆるインディアン)の音楽に触れて衝撃を受け『新世界』を感じて、「交響曲第9番(新世界から)」「アメリカ弦楽4重奏曲」などの作品をヨーロッパのクラシック界に送り込み、評価されました。米国滞在中も作曲を続け、弟子も取って、デキシーランド音楽や先住民の音楽の重要性を説きました。直接の弟子からは高名な作曲家は出ませんでしたが、20世紀アメリカ音楽には影響を与え続けました。この「ユーモレスク」は、ドボルザークが一時休養で帰国していた際、ピアノ独奏曲の一つとして作曲されたものです。<フモレスキ(Humoresky)>ともいわれるこの曲形式は、英語で<ユーモア(Humour)>と同じく滑稽な、あるいは気まぐれな曲想をもった奇想曲と同義で、シューマンの<ユモレスク>も有名ですが、<アメリカ風>の趣を多分に持っていて、ピアノ曲としては最も有名なものの一つとなっています。
ユーモレスク
(Humoresque Op.101-7)

ピアノ独奏曲ユーモレスク第7番変ト長調





お断り:当倶楽部のシケンサーには1/64
拍子の音符がなく1/32拍子分ずれるとこ
ろがありますが、ご容赦ください。
MIDI制
作:滝野細道
        
Antonín Dvořák