白秋は当時、三浦三崎の現在の城ヶ島大橋の真下あたりに住んでいたらしく、「左に通り矢の岩をのぞみ、正面に城ヶ島の遊びヶ島をながめて」、通り矢や城ヶ島に降る雨を飽かず眺めて暮らし、芸術座音楽会のためにこの歌を詠んだといいます。利休鼠の雨の色とは、緑の木々を煙らせるようなこのような色、らしいです。上の写真は通り矢の先の剣崎灯台の近くで撮影したもので、船は三崎に帰る観光船でしょう。簗田貞(やなだただし)は音楽学校の教師で、芸術座音楽会で自ら演奏したとのことですが、葛原しげるとのコンビで「とんび」「あられ」をはじめ青木存義との「どんぐりころころ」などたくさんの童謡を作曲しています。
城ヶ島の雨
作詞:北原白秋(PD)(倶楽部内曲目)
作曲:梁田貞(PD)
歌唱:奥田良三
MIDI制作:滝野細道
雨は降る降る 城ヶ島の磯に
利休鼠の 雨が降る
雨は真珠か 夜明の霧か
それとも私の 忍び泣き
舟は行く行く 通り矢のはなを
濡れて帆あげた 主の舟
ええ 舟は櫓でやる
櫓は唄でやる
唄は船頭さんの 心意気
雨は降る降る ひは薄曇る
舟は行く行く 帆がかすむ
北原白秋伝「城ヶ島の雨」
【海の素材屋】
【北原白秋】当倶楽部の作詞曲 | |||
曲 名 | 作 曲 | 歌 手 | 歌 い 出 し |
赤い鳥小鳥 | 成田為三 | - | 赤い鳥小鳥なぜなぜ赤い赤い実を |
雨 | 成田為三 | - | 雨が降ります雨が降る遊びに行き |
雨 | 弘田龍太郎 | - | 雨が降ります雨が降る遊びに行き |
あめふり | 中山晋平 | - | あめあめ降れ降れ母さんが蛇の目 |
あわて床屋 | 山田耕筰 | - | 春ははよから川辺の葦に蟹が店出 |
うさぎの電報 | 佐々木すぐる | - | エッサッサエッサッサぴょんぴょこ兎 |
かやの木山 | 山田耕筰 | - | かやの木山のかやの実はいつか |
からたちの花 | 山田耕筰 | - | からたちの花が咲いたよ白い白い |
落葉松 | 長村金二 | - | からまつの林を過ぎてからまつを |
雉ぐるま | 弘田龍太郎 | - | 雉雉雉ぐるまお雉の背中に積む |
この道 | 山田耕筰 | - | この道はいつか来た道ああそうだよ |
さすらいの唄 | 中山晋平 | - | 行こか戻ろか北極光(オーロラ)の下 |
里ごころ | 中山晋平 | - | 笛や太鼓にさそわれて山の祭に来 |
里ごころ2 | 弘田龍太郎 | - | 笛や太鼓にさそはれて山の祭に来 |
舌切雀 | 成田為三 | - | 舌切雀はどこへ行たどこへ行た |
城ヶ島の雨 | 梁田 貞 | 奥田良三 | 雨は降る降る城ヶ島の磯に利休鼠 |
すかんぽの咲くころ | 山田耕筰 | - | 土手のすかんぽジャワさらさ昼は |
雀のお宿 | 草川 信 | - | 雀のおやどは山陰に小薮がこんもり |
雀のお宿 | 弘田龍太郎 | - | 笹薮小薮小薮の中でちゅうちゅう |
砂山 | 中山晋平 | - | 海は荒海向こうは佐渡よすずめ鳴け |
砂山 | 山田耕筰 | - | 海は荒海向こうは佐渡よすずめ鳴け |
ちんちん千鳥 | 近衛秀麿 | - | ちんちん千鳥の啼く夜さは啼く夜さは |
ちんちん千鳥 | 成田為三 | - | ちんちん千鳥の啼く夜さは啼く夜さは |
とんからこ | 弘田龍太郎 | - | 舌を切られた小雀は小雀は泣く泣く |
なつめ(棗) | 弘田龍太郎 | - | 棗、棗、赤い棗、盗んだ棗、この棗 |
ふぶきの晩 | 草川 信 | - | ふぶきの晩です夜ふけですどこかで |
ペチカ | 山田耕筰 | - | 雪の降る夜は楽しいペチカペチカ燃 |
待ちぼうけ | 山田耕筰 | - | 待ちぼうけ待ちぼうけあるひせっせと |
山のあなたを | 成田為三 | - | 山のあなたを見わたせばあの山恋し |
ゆりかごの唄 | 草川 信 | - | ゆりかごの唄をカナリヤが歌うよ |
りすりす小栗鼠 | 成田為三 | - | りすりす小りすちょろちょろ小りす |
りすりす小りす | 弘田龍太郎 | - | 栗鼠栗鼠小栗鼠ちょろちょろ小栗鼠 |