七里ヶ浜、江ノ島、冨士遠望©Hosomichi 
(真白き富士の根
この「真白き富士の根」には<真白き富士の嶺>という表示のものもありますが、これは大映映画の原題で、歌のほうは<根>ということになっています。<嶺>は抒情的ですが<根>は現実の事故が起こった場所を示していて、より叙述的です。
1910年(明治43年)の逗子開成中学生12名の海難事故を歌にしたものです。123日の冷たい海に逝った少年たちを慰霊するため、翌月210日合同慰霊式が行われ、この歌が「七里ガ浜哀歌」として歌われました。作詞の三角錫子はそのとき、鎌倉女学校の教師でした。作曲のジェレマイア・インガルスについては、長い間ガードン(Garden)と間違われてきましたが、逗子開成学園などの努力により、一般に認められるようになってきました。もともとはイギリス民謡をインガルスが編曲したものだったようです。
※写真は田貫湖の富士 (C) Hosomichi
(明治43年)

     JASRAC Code No.042−6866−1(著作権消滅曲)

     真白き富士の根     


     作詞:三角錫子
     作曲:ジェレマイア・インガルス
     歌唱:ミス・コロムビア

     制作:滝野細道


  (一)
  真白き富士の根 緑の江ノ島
  
仰ぎみるも 今は涙
  
帰らぬ十二の 雄々しきみ魂に
  捧げまつる 胸と心

  (二)
  ボートは沈みぬ 千尋の海原
  風も波も 小さき腕
(かいな)
  力もつき果て 呼ぶ名は父母
  怨みは深し 七里ガ浜
  
  (三)
  み雪はむせびぬ 風さえさわぎて
  月も星も 影をひそめ
  み魂よいずこに 迷いておわすか
  帰れ早く 母の胸に

  (四)
  帰らぬ浪路に 友呼ぶ千鳥に
  我も恋し 失せし友よ
  尽きせぬうらみに 泣く音は共々
  今日も明日も かくて永遠に

  かくて永遠に


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   *08/5/10