<野菊>という花はありません。野原に咲く菊と言うほどの意味でしょうが、上の私の手持ちの写真にもありますように、路傍に咲くキク科(キク属、ヨメナ属、ノゲシ属、シオン属)に属するものの総称です。歌詞にある<やさしい野菊うすむらさきよ>というのは、ヨメナ属に薄いむらさき色のものがありますので、このカントウヨメナのことでしょう。葉の細いノコンギクだと言う人もいますが、これはあまり品がありません。ちなみに伊藤左千夫の「野菊の墓」の野菊はカントウヨメナということになっています。名前などどうでもいいことですが。作詞者の石森延男は、児童文学「コタンの口笛」の著者であるらしい。“らしい”というのは、コタンの口笛は知っていましたが、それが「野菊」の作詞者とは連想できなかったということです。下総皖一は「花火」「かくれんぼ」「蛍」「たなばたさま」などを作曲しています。 All Photoes taken by
Hosomichi
*2008/5/8
ノコンギク |
野菊
作詞:石森延男(C)
作曲:下総皖一(PD)
MIDI制作:滝野細道
(一)
遠い山から 吹いて来る
小寒い風に ゆれながら
けだかくきよく 匂う花
きれいな野菊 うすむらさきよ
(二)
秋の日ざしを あびてとぶ
とんぼをかろく 休ませて
しずかに咲いた 野辺の花
やさしい野菊 うすむらさきよ
(三)
霜が降りても まけないで
野原や山に むれて咲き
秋のなごりを おしむ花
あかるい野菊 うすむらさきよ