(五)
薄墨引ける四方の山
(くれない)匂う横霞(よこがすみ)
海辺遥かに打ち続く
青松白砂
(せいしょうはくさ)の美しさ

(六)
見よや人々類
(たぐい)なき
この天然の写し絵を
筆も及ばず描き給ふ
神の力の尊しや

(七)
(あした)に起る雲の殿(との)
夕べに懸かる虹の橋
晴れたる空を見渡せば
青天井に似たるかな

(八)
仰げ人々珍しき
この天然の建築を
かく広大に建て給ふ
神の御業
(みわざ)の尊しや

      JASRAC No.010−0070−5

   美しき天然(うるわしきてんねん)
      (明治33年)

         作詞:武島羽衣
         作曲:田中穂積
         歌唱:UNKNOWN
         制作:滝野細道

   (一)
   空に囀
(さえず)る鳥の声
   峰より落つる滝の音
   大波小波滔々
(とうとう)
   響き絶えせぬ海の音

   (二)
   聞けや人々面白き
   この天然の音楽を
   調べ自在に弾き給ふ
(たもう)
   神の御手
(おんて)の尊しや

   (三)
   春は桜の彩衣
(あやごろも)
   秋は紅葉
(もみじ)の唐錦
   夏は涼しき月の衣
(きぬ)
   冬は真白き雪の布

   (四)
   見よや人々美しき
   この天然の織物を
   手際見事に織り給ふ
   神の巧みの尊しや



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     2008/MAY/03