今回は理論を中心にするのではなく、実際にディベートがどのように展開されていくかについて、具体例にのっとった説明をする。
論題は、「生徒が教室で使うにはえんぴつがよいかシャープペンがよいか」を使う。これまでの連載では理論的な立場から、もっとも望ましい論題の条件をあげてきた。しかし、実際の授業で使われた論題のままでどうすれば議論が深まるかその実践方法を紹介する。
1 ディベートの基本は立証と反証
立証と反証の両方があってはじめてかみ合った建設的な議論が実現する。それにはまず否定側が肯定側の議論に直接反対する場合と、否定側自らが立証をこころみる場合(不利益等)をはっきり区別したほうがよい。通常のディベートの試合では、その両方が一つの立論や反駁の時間内でおこなわれる。
フローシートの書きかたも、それに応じた工夫が必要である。例えば、肯定側の立論を書き留めた後、否定側のそこへの疑問、直接反論をその左側に書き留める。しかし否定側からの間接反論(不利益、問題解決性議論、カウンタープラン等)は、肯定側の議論の横には書かず別な紙に書き始めた方がよい。そうすることによって、肯定側から主張し始めたプランや利益についての攻防と、否定側から主張し始めた問題解決性に対する議論や不利益についての攻防をわけて審査することができるからである。
2 議論のすすめかた
肯定側はできるだけ強い議論をそのメリットとしてあげる。強い議論とは、証明の材料が多く否定側の疑問に答えることが出来る議論である。この場合、肯定側を鉛筆支持派、否定側をシャープペン支持派という教室での実践にあわせて検討してみる。
肯定側の立論後、否定側はまず鉛筆のよい点を検証する。目的は、良い点といっても肯定側によって主張されている程のものではないとか、見かけ倒しであり実際は大そうなものではない、などのように、肯定側の言葉や言葉で表されたものの実体を正確につかもうというところにある。
綱引きでひかれた綱をもとに戻すような作業ともいえる(この場合綱の中心点はジャッジの心といえよう)。要するにジャッジ心のなかにできた鉛筆の良い点の解釈について疑問をもたせ、より正確な(または否定側の解釈にちかい)解釈をさせるようにする。
次に、鉛筆のよい点であると思っていることが、実は悪い点ともいえるという場合があれば切り替えす。これを切り替えし、またはターンアランド(T/A、Turn Around)と呼ぶ。
また、相手の価値観を根本からゆさぶるような疑問をなげかける。ただし、AがよいかBがよいかのような二値論題では、切り替えしたり疑問をなげかけた内容が自分の立論にもあてはまる場合があるため、その点は注意を要する。
次に、シャープペンのよい点をのべる。自分達の議論を打ち立てることによって自分たちの陣地へ綱を引っ張る。
次に、立論が一回ずつのばあいは否定側第一反駁において、立論が二回ずつある場合は、否定側第二立論または否定側第一反駁で価値観の比較論点の重み付けをおこなう。 特に立論が一回の場合は否定側第二反駁の段階では否定側のシャープペンのよい点は肯定側からはまだ反論されていないので、非常に有利である。つまり、疑問を投げかけられた鉛筆の良い点(肯定側の)とまだ肯定側の攻撃にあっていないシャープペンの良い点を比べるわけである。
ジャッジの心とジャッジの書くフローシートは否定側の全く有利な状態である。この否定側の連続スピーチをネガティブ・ブロックと呼び、肯定側が越えなければ負けてしまう大きな山場である。否定側はこの山場をつくるために、肯定側の発表した立論への検証と自分達の主張(この場合はシャープペンの良い点)を充分に行う必要がある。
以上が政策ディベートにおいてもその利益の検証と不利益との比較衡量をする場合の、戦略パターンとなっている。
政策ディベートでは、さらにその利益、不利益の確率論確証性議論(解決性議論)をおこない、議論に3次元的な深みがでる。価値論では上記のような基本練習だけでもきっちりできれば十分であるといえる。
3 検証のパターンとその練習例
さらに教室での実践では、生徒の年齢によって様々であろうが、上記の戦略パターンを一度に実践できない場合は次のように、検証パターンのステップ化をおすすめする。
実際は、シャープペンを意識するとかえって限定されて面倒であろう。より自由にのびのびと考えをだすためには、鉛筆対全ての書く道具(シャープペン、ボールペン、万年筆等)という概念がよいだろう。以下、例をしめす。(これは仮説検証パラダイムの考え方に非常に近い。)
生徒全員で(または肯定側が)
(1)鉛筆のよい点をとにかく沢山出す
(生徒が考える、発表する、書く、鉛筆がなくなったらと仮定して考える)
(2)次に否定側からの検証としてレフュテーション(反論)をおこなう。
まずは疑ってみる、けちをつける、質問を考える、証明をもとめる、つまり出された鉛筆の良い点が本当かどうか、違う言い方、違う方法でいいかえることができないか? を考える。
(3)次に切り替えし(T/A:ターン・アランド)を試みる。
「よい点だといわれているものは全然よくはない、なぜならば、...」とまずは言ってしまってから考える、または先生がそのような紙を用意して、思考順序の補助をする。(ただしどの様な場合でも、必ずターン(T/A)ができるわけではない)
(4)鉛筆の不便な点を考える(不利益)
シャープペンだったらこんなことができるのに、鉛筆はできない・・・などと具体的に考える。できるだけ多く出す。この場合はシャープに限らないが論題をシャープペンとの比較に限定するのであれば、(3)(4)で出した論点からシャープペンでも充当する点は除く。
(5)比較衡量をする。比較衡量の技術。
たくさん出した方がよいという指導のもとにある程度生徒に論点を出させるが、似たような項目はまとめる。
次に、鉛筆の不便な点の二番目と三番目は、良い点の一番目に相当するとか、肯定側の四番目の良い点としてあげたものは、不便さのほとんどを無視できるくらい強いと言った具合いに各々の利点の重み付けをおこなう。これが比較衡量である。
また、はじめからシャープペンを比較の相手として絞った場合は、前出の項目(3)と(4)を考える場合に〔シャープペンと比較して〕という限定がつくので比較衡量の段階で取捨してもよい。
立論が二回ある通常のフォーマットではなく、現在教室で行われている立論が一回ずつしかない変形型だと、肯定側は受身に立つしかないという構造的なネックがある。つまり上記肯定側からの否定側の議論の検証と比較衡量は、すべて肯定側第一反駁でやらなくてはならないからである。時期をみて、教室でも立論二回ずつの型にもどすことをおすすめする。
4 実践例
それでは鉛筆とシャープペンの例を想定してみよう。
肯定側鉛筆派
<鉛筆のよい点>
1 安い 2 芯が太くて丈夫 3 木製なので軽い
4 短くなるまで使うと愛着がわく 5 マークシート記述に適している
否定側立論
<検証の部>
1 安さが問題か? 重要ではない、なぜならば親が買ってくれるから。長期的にみると割高ではないか? 鉛筆はキャップも買わなければ、筆箱の中で芯が折れる。
2 丈夫か? 書いているときの芯の丈夫さは同じだろう。
T/A:シャープペンのほうは、芯さえ取り替えると半永久的につかえる、それに比べて鉛筆は落とすと中の芯が折れる。
3 軽い:べつに手が重くて疲れるわけではない。書くときにある程度の重さは必要である。シャープペンの場合は自分に合った重さを選べる
4 愛着がわかない場合だってある。授業中に愛着は無用。逆に捨てるときにつらい思いをする。
5 マークシートの授業はない。一部のテストだけである。
<立論の部>
シャープペンのよい点
A いつでも細く書ける
B 滑らずににぎれる
C 削りかすがでない
D 携帯に便利
<比較衡量の例>
AとBは鉛筆の1、2、3、4を上回る、なぜなら太くなった芯は書きづらい。鉛筆は筆記用具であるからいつでも細く書けることが一番大切である。Cは鉛筆のみにみられる不便な点だ。Dは鉛筆だと、大きい筆箱がいらないし鉛筆キャップも必要である、シャープは結局安価であるなど。
以下にフローを例示する。このようにある特定のもの(シャープペン)と比較することを論題で決めてしまうと、多少不自由になる。次回は比較対象を決めない論題でのディベートの展開例を紹介する。
論題:生徒が教室で使うには鉛筆がよいかシャープペンがよいか
肯定側 鉛筆支持派 否定側 シャープペン支持派
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鉛筆のよい点 (1)安価である 鉛筆100円、シャープペン500円(替え芯200円) (2)芯が太く丈夫 鉛筆1mm、シャープペン0.5mm
(3)木製で軽い
(4)短くなるまで使うと愛着がわく (5)マークシートに適する |
検証の部 (1)安価であるについて 600円の価格差は重要ではない。T/A:仮にコストに注目するならば鉛筆の方がコスト高。 (2)芯が丈夫について 落とすと鉛筆の中の芯は折れる。ペンそのものはシャープの方が丈夫。 (3)軽さについて 軽さは必要か? T/A:ある程度の重さは必要である。シャープペンは選べる。 (4)愛着は授業に無関係、わかない人もいる。 (5)マークシートについて マークシートは一部のテストの時だけ 立論の部 鉛筆と比較してシャープペンのよい点 A)いつも細く書ける
B)滑らずに書きやすい
C)削りかすがでない
D)携帯に便利 |
検証の部 (1)安価であるについて ほとんどの場合、親が買ってくれるのでコストは無視してよい。シャープペンも半永久的に使えるのでコストの比較はダメ。 (2)芯が丈夫かどうかは問題ではない。 鉛筆もシャープペンも折れないだろう。
(3)軽さは無関係である。シャープペンが重くて書きづらいという実例はほとんどない。
(4)(5)もまとめて(3)と同様非常に些細なことである。一方シャープペンの利点は、
A)いつも細く書けることは筆記用具の一番重要な点である。だからこそ、鉛筆派は鉛筆を細く削っている。 B)握った時もシャープペンはいいが、鉛筆は滑ることがある。 C)鉛筆は削りかすの掃除当番が大変だ。一方シャープペンでは心配無用(実例をあげる) D)シャープペンは携帯に便利。筆入れの中で芯が折れないように鉛筆キャップを買う必要がある。そうすると肯定側が(1)で言ったよりももっとお金がかかる。 こうして比較してみるとシャープペンの方が鉛筆よりもよい。 |
前回は、「生徒が教室で使うにはえんぴつがよいか、シャープペンがよいか」という論題を使い、議論の深めかた、噛み合わせかたについて説明した。
今回は同じ論題を使い、よりよいディベートにするためにはどのような論題にするとよいのかを考えてみたい。
1 論題の種類
ディベートの論題は、次の三つに分けられる。
事実論題(proposition of fact)
価値論題(proposition of value)
政策論題(proposition of policy)
事実論題は事実を扱い、通常「AはBであった」という形をとり、事実が過去現在未来について本当に起こったかについて争う。「耶馬台国は九州にあった」などがある。
価値論題は価値問題を扱う。あることがらについての価値判断をするのである。つまり「Aはよい」「AはBよりよい」など、良い、悪いなどの価値について争うものである。
これに対して政策論題は、当然のことながら政策を扱う。ここで間違えてはならないのは、政策とはけっして政府、国のものだけではなく、なにかを実行するという実行案のことでもある。
政策論題はつねに「AはBすべきである」というように、「〜すべきである」という語が必ず入っている。この「〜すべきである」という意味については以前に説明したのでそちらを参照いただきたい。
以上の論題の種類を図示すると下の図のようになる。
調 査 分 析 意味づけ 立 案 実 行
事実論題 ―――→事実の調査、分析
価値論題 ―――――――→データの解釈、意味づけ
政策論題 ―――――――――――――――――――→企画立案
実社会 ――――――――――――――――――――――――――→実 行
価値論題はさらに大きく分けると二つの種類に分類できる。狭い意味の価値論題と、準政策論題である。
前者は物事の嗜好、モラルなど、良いか悪いなどという価値を扱うものである。
準政策論題とは、ある政策についてその善し悪しを争うものである。この場合の政策とは通常国などの政策をさす。例えば「小学校の英語教育は望ましい」「日本の環境保護政策はエネルギー需要よりも重要である」というものである。
では「生徒が教室で使うにはえんぴつより、シャープペンがよい」は、どの種類の論題であろうか。「よい」ということを争うのでこれは価値論題であることがわかる。
2 論題のワーディング(言葉選び)
次にこの論題を用いて、論題のワーディングの変化を見てみよう。
まずはじめに、先生が生徒にディベートをさせたいと考える。そして扱うテーマはできるだけ簡単なもの、準備のあまりいらないもの、生徒が積極的に参加できるものにしたいと思う。そこで、「えんぴつがよいか、シャープペンがよいか」をテーマにしようと考えた。
ここでいきなり、これを論題にしてしまってはディベートにならない。というよりも論題としてこれは不適切である。
以前に本連載でも説明したように、この論題では肯定側、否定側がどちらかわからないのである。しかも疑問文になっているため、論題から結論が帰結されない。これでは単なるテーマにしか過ぎない。
ディベートの論題とするためには、少なくとも断定した文でなくてはならない。命題としての機能を持つ論題は、常に結論文でなければならないのである。「えんぴつがよいか、シャープペンがよいか」ではなく、「えんぴつより、シャープペンの方がよい」とすべきである。
しかしまだ不足している。状況設定がなさ過ぎるのである。誰にとって「よい」のかが、この論題からでははっきりしてこないのである。
ここでこの論題に状況設定を付け加える。この論題でディベートをおこなうのは生徒なので、「生徒が教室で使うには」という言葉を付け加えるようにする。つまり「生徒が教室で使うにはえんぴつより、シャープペンの方がよい」となる。
ここまでくるとディベートの論題としてはぐっと良くなる。
ではこのままでよいのだろうか。つぎに出てくるのは、なぜえんぴつとシャープペンだけを較べるのかという問題である。ボールペンや万年筆はないのだろうか。全く筆記用具を使わないほうがよい、テープレコーダーで録音するというのはどうだろう。
もちろんそんな生徒はいないだろう。またおそらく生徒の大半は、えんぴつかシャープペンのどちらかを使っているであろう。しかしこのように二つの立場を固定した論題は、考え方も固定しかねない点に注意を払うべきである。
この問題を解決するには、二つの立場を固定しないほうがよい。単に「〜がよい」というふうに、ある一つの事柄を、他と較べないで論題とするのである。つまりこの場合論題を「生徒が教室で使うのは、シャープペンがよい(えんぴつがよい)」としてはどうだろうか。
この論題では、肯定側は必然的に「シャープペン」側に立つことになる。否定側は、えんぴつを支持、ボールペンを支持、何でもよいなどいろいろな立場を考えられる。自由に発想できるのである。
もちろんこの論題を政策論題にすることも可能である。たとえば、「生徒は教室でシャープペンを使うべきである」と変えることもできる。
これらの論題の変化をまとめると次のようになる。
(1)えんぴつがよいか、シャープペンがよいか
↓
(2)えんぴつより、シャープペンの方がよい
↓
(3)生徒が教室で使うには、えんぴつよりシャープペンの方がよい
↓
(4)生徒が教室で使うには、シャープペンがよい
↓
(5)生徒は教室でシャープペンを使うべきである
このように論題を変化させることによって、ディベートが深まってくるのである。つまり論題の深化である。
3 審査からみた論題の善し悪し
つぎに審査の方法を少しみてみたい。審査の方法について述べるのは本連載の目的ではないので詳しくは触れないが、審査のことを考えることによって論題の善し悪しを判断できるのである。
ここで前回にあげた肯定側のメリット、否定側のメリットを思い出していただきたい。
簡単にメリットだけをあげてみると次のようになる。
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(1)安価である (2)芯が太くて丈夫 (3)木製なので軽い (4)短くなるまで使うと愛着がわく (5)マークシートに適する |
(1)いつも細く書ける (2)滑らずに書きやすい (3)削りかすがでない (4)携帯に便利
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肯定側と否定側のメリットがぶつかった時点で、反論、反駁が始まる。このままではどちらにもメリットがあり、どちらがよいかは決められない。
そこでそれぞれの議論について、前回に説明したように、メリット自体を疑う、切り返す(ターン・アラウンド)、比較衡量などをおこなう。
ディベートの試合が終わった時点で残ったメリット、つまり相手の反論にあって潰れた議論、少なくなった議論を差し引いて残ったものををどうみるかである。
より説得力のあった方を勝ちとするか、より良い議論をしたほうを勝ちとするか。どちらにしてもそれでは主観的な審査しかできないであろう。
では論理を見て審査するにはどのようにするのか。仮に肯定側のメリットが三つ、否定側のメリットが二つ残った場合、どのように審査をしたらよいのであろうか。単純にメリットの数が多い方を勝ちとしてよいのだろうか。これではあまりにも機械的すぎ、また論理的な審査とはいえない。
それぞれのメリットを較べてみて、より大きいほうをとり、そのメリットを持つ側を勝ちとすべきである。
そのためにもディベートの試合中にディベーターが、それぞれのメリットの比較をおこなってもらわないと審査できないのである。
ディベートの試合中に、肯定側も否定側もこのような反論や比較をおこなわない場合には審査のしようがないので、審判が自ら比較をおこなわざるをえない。そしてその結果ディベーターの意図に反する審査結果が出ようとも、ディベーターは文句をいえないのである。
4 価値論題の審査
肯定側のメリットと否定側のメリットの比較して、メリットの大きいほうをとる、つまり勝ちにするという方法以外に、価値論題によるディベートを審査する方法をつぎに説明していく。これは審査方法のみならず、各側の議論を構築するためのものでもある。
立論で議論を構築するときに、この論題の例では、「よい」という言葉に注目するのである。
つまり「よい」とはどのような意味なのかということである。またどのようなときに「よい」と言えるのかを考えるのである。「よい」という言葉を定義することからはじめるのである。
もちろん「よい」という言葉を辞書的に定義しても仕方がない。これではディベートにならない。「よい」という意味を哲学的に解釈することも、ディベートでは無理であろう。
一番良い方法は、どのような状態のときに「よい」と言えるのかを考え、その基準を中心に論を展開していくのである。
そこで考えなければならないのは、誰にとってよいかということである。論題例の(3)以降を見ていただきたい。「生徒が教室で使うには」という言葉が入っている。
つまり生徒が教室で使う時に、どのような状態がよいと言えるのかを考えるのである。これは何点かすぐ思いつくであろう。勉強に使いやすい、ノートを取りやすい、だいじに使う、などがすぐ考え付く。
これらの基準から照らし合せてみて、えんぴつがよいか、シャープペンがよいかを判断し、自分たちの論を組み立てていくのである。
そしてその基準が妥当なものであるか、またえんぴつ(シャープペン)の使用がその基準を満たすのかどうかという点を争い、それについて審判が審査をしていくのである。
これが本来あるべき価値ディベートの方法である。そのためにも、できるかぎり論題には状況設定があったほうがよい。ディベートしやすいのである。この意味から(3)以降の論題がよい論題といえる。
本稿は「現代教育科学」(明治図書)1995年11月号、12月号に掲載されたものです。