学園レポート 第5回

本校での実践報告

                                                        札幌市立北野台中学校教諭 清水 顕史

  札幌市立北野台中学校がディベート甲子園に参加して、今年で3年目になります。1年目は私が3年選択社会でディベートを扱い、今思えばかなり無謀な準備時間で強行出場。結果は1勝2敗で地区3位でした。2年目は先輩の活躍の影響を受けた2年生有志4名が、およそ3週間の準備でこれまた強行出場し、前年同様の結果を修めました。

 本校にはディベート部のような部活動はなく、準備活動も不定期なのですが、北海道支部の岡山先生や佐々木先生、北大ディベートクラブの学生など多くの方々によるご指導のもと、ディベートの楽しさやそれによって得られる様々なスキルが着実に身についてきました。今年はメンバーが5名に増え、論題発表当初から少しずつ準備を始めているので、全国大会出場に照準を絞って活動しています。

 「部活動でもないのに、なぜ参加しているのか。」ここまでお読みになった方々はそう思うかもしれません。本校は小学校1校からの持ち上がりなので、ほとんどの生徒が9年間同じ集団に属します。アットホームな雰囲気で生活できるのはよいのですが、切磋琢磨して自己の持つ能力をさらに向上させようという気持ちにやや欠けています。そこでディベートを導入することで次の3点の向上を考えました。1点目は、他校生徒・ディベート関係者との交流を通じて、人間性の深まりを期待すること。2点目は、ディベート参加生徒の活躍を知り、自校生徒が刺激を受けて、学習活動や行事などで以前にも増した取り組みをすること。3点目は、私の担当教科である社会科に必要な能力が、ディベートをおこなうことで相当身につくという私の持論を検証することでした。詳しい分析は今後の課題ですが、今現在でも大きな成果を上げていると思います。

本稿は『トライアングル』第47号(2004年9月号)に掲載されたものです。