開発発表どおり、期待を裏切らないスペックで発表されました。
サプライズでボディ内手ぶれ補正が搭載されているのではないかという予想もありましたが、リリースを見てもそのような記述はありませんでした。残念です。
恐らく、レフ機としては最後のフラグシップになると思います(ミドル以下は、まだまだ出るでしょう)。歴史に残る名機となるよう、Canonの意地を感じました。

また、ファイルコンテナとしてHEIFの採用など、今後のCanon製カメラの基礎となる部分の増強も感じられます。
個人的には、ストロボ関連の増強も見逃せません。雰囲気重視は、発光を控えめに。発光量強めは、逆に発光を強くして環境光の影響を減らします。また、ライブビュー時に撮像面E-TTLが可能になりました。

動画もかなり強化されていますね。あまり興味が無いのでスルーしますが、かなりCMOSセンサーの読み出しが速くなったことが分かります。間違いなくDRAM積層型裏面反射センサーですよ!

さて、気になったところを書き綴ってみたいと思います。

 

DIGIC X

現行世代はDIGIC 8です。EOS-1D X Mark IIIでは、9をスキップしたDIGIC X(エックス)を採用したそうです。なんと、AEセンサー用に、個別にDIGIC 8が乗ってます。贅沢です。
(1DX辺りから、AE用に1世代前のDIGICを載せるのが恒例)

 

ローパスフィルター

新開発のGD(Gaussian Distribution)ローパスフィルター採用です。
歴代1Dシリーズは、一般的な水晶を使用したローパスではなくニオブ酸リチウムを使用したものを採用してきました。ローパスとしての性能はそれ程変わらないのですが、厚さが異なります。AFセンサーを大きくするため(性能のために大きくなった)できる限りミラーボックスを大きく使うために、この薄いローパスフィルターが必要だったと聞いています。今回、16点に分離させることで、解像感を維持しながら偽色(モアレ)を防ぐ手段として期待できます。
ボディ内手ぶれ補正が採用されず残念でした。
GDローパスフィルターは、従来のローパスフィルターよりも重たい(枚数が多い)でしょうから、(ボディ内手ぶれ補正と)どちらを採用するか勘案があった物と思います。1D系列は、スポーツ撮影中心の望遠レンズ利用率が高く、望遠の場合は、ボディ内よりレンズ内の手ぶれ補正の方が効果が高いですから、このような結果になったのではないでしょうか。

 

撮影可能枚数

1D X Mark IIは公称約1210枚です。実際は倍~3倍ほど撮れます。今回、1D X Mark IIIは約2850枚だそうです。局部だけではなくて、カメラ全体としてのバッテリマネジメントが優秀になりました。
きっと、1万枚ぐらい平気で撮れると思います。
DIGIC Xから駆動電圧が下がったのではないかと思いますが、どうでしょうか。
(メモリもLPDDR4だと思う)

 

連続撮影枚数

RAWまたは、RAW+JPEGは1000枚以上の連続撮影可能枚数です。
結構多くの人が「すっげーバッファ量!」と歓喜してますけど、そんな訳ないじゃないですか。
少なめにRAW50MB、JPEG20MBと見ても70MBですよ。出力バッファだけに96GB~128GBもメモリ積みますかね? 現在一般的な16Gbit品なら48枚(5万円)とか。128Gbit品なら8枚(8万円)です。80万円のカメラの1部品に原価8万円はいささかオーバーです。
※マイクロンの1000個ロット辺りの価格を参考に試算
これは、高速転送が可能なCFexpressカードに逃がしながら書き込める枚数です。

 

CFexpress

BlogやYoutubeを見てたら、どっかのプロカメラマンが、まだ普及していない高額なカードを採用した!とか言っていますが、何を言っているのかサッパリ意味が分かりませんでした。
紆余曲折あって、メモリカードは安心して使えるように2種類に絞られました。ハイエンドはCFexpress。ミドル以下はSDカードです。
SDカードもピン数を増やしながら高速化していますが、怒濤の高ビットレート動画を安心して書き込むには、CFexpressが必須です。
文句言う人は、安くなったXQD買ってればいいと思います。
(※CFexpress専用のスロットにXQDを刺しても、原則動きません)

 

AEセンサー、AFセンサー

ここまでコストを掛けてくるか! と驚きました。ここにきて、AFポイントをここまで増やしてくるとは思いませんでした。しかも、従来よりも制度が良さそうな方式を採用しています。顔認識どころか、瞳も識別して追いかけるというじゃないですか。
もう、CMOSセンサーで良くない? と思ってしまいました。

 

16コマ/秒

ミラー駆動で16コマを実現するためのコストもすごいです。
AF合わせる → 測光する → ミラー上げる → シャッター先幕動く → シャッター後幕動く → ミラー戻す → シャッターチャージする(以下繰り返し)
このサイクルを60msで行う神業。
14コマ→16コマと、わずか2コマと思いますが、この2コマは大きな2コマです。
とは言え、シャッター幕だけなら20コマ/秒だせるので、ここまで努力する必要があったのかと…… 思う次第です。

 

 

 

ミラーボックス外して、ペンタプズムにEVFぶち込んで、RFマウントで出してくれないかなぁ~。

2件のコメント

  1. まずは、遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
    本年もよろしくお願いします。

    で、本題…

    スペックとしては、予想を遥かに上回るレベルで、全く妥協していない感満載です。
    ただ、ボディ内手ブレ補正の非搭載は何となく予想していました。
    技術的には出来るのでしょうが、ここでボディ内手ブレ補正を加える事で、ソニーに屈するのがキヤノン的には嫌だったのではないでしょうか?と同時に、一眼レフとミラーレスの明確な区分けを実施する意味でも、「一眼レフ」には搭載せず、今後のミラーレスの状況をウォッチしつつ、ミラーレス機に搭載していくのでは、と予想します。

    後、連続撮影枚数の1000枚オーバー、すぐに「CFexpress」前提なんだろうなあ。と思っていましたが、案の定でした。いや、まあそれでも1000枚というのは尋常じゃないと思いますけどね。
    これ、五輪の前に、昨年のラグビーワールドカップあたりで試してみても良かったのでは、と思います。時間が止まらず、動きっぱなしのスポーツにはもってこいの仕様なだけにねえ…。

    AFあたりの性能は、今後のミラーレスにも転用できる可能性が高いので、今後のミラーレスの方向性の目安になるかもしれません。

    後は、シャッターの耐久性かな?この辺はまだ情報がないので、少し気になります。

    価格的には、そこそこ性能のいい中古の軽自動車が買えてしまうレベルなので、当然、私の手の届くカメラではありませんが、ここまで本気を出してきたキヤノンは、久しぶりではないかと思ったり…。

    私はしんみりと90Dを買うと思います。というか、「EOS RP」と1万しか価格差が無いって、どういう事よ!RPがもう1~2万安かったら、RPを購入してミラーレスに乗り換えるのも一つの手なんですが。
    というか、最初は絶対一眼レフがいいと思うんですよね。そうしないと「どういう条件が整えば、明るく色彩のある写真が撮れるか。」という事が勉強しなくなる人が多くなると思うんですよ。綺麗な写真が撮れるコツが分かってからミラーレスに手を伸ばせば、瞬時の画像の切り出しに長けているミラーレスがより面白く感じられると思うんですけどねえ。

    って、何か、最後は愚痴になってしまいましたね。すみません…汗

    million_cotton
    1. >技術的には出来るのでしょうが、ここでボディ内手ブレ補正を加える事で、ソニーに屈するのがキヤノン的には嫌だったのではないでしょうか?
       私は、厚くなったローパスフィルタ、大きくなったAFユニットのせめぎ合いで、手ブレ補正ユニットを導入するのが難しいと判断したと考えています。
       レフ機では、ファインダーで像の安定が確認できないため、優先順位が低いのもあると思っています(望遠はレンズ内補正が有利ですし)

      >これ、五輪の前に、昨年のラグビーワールドカップあたりで試してみても良かったのでは、と思います。時間が止まらず、動きっぱなしのスポーツにはもってこいの仕様なだけにねえ…。
       一部のプロのテスト撮影は行ってたと思いますよ!
       それで、GOが出たのかもしれません!

      >AFあたりの性能は、今後のミラーレスにも転用できる可能性が高いので、今後のミラーレスの方向性の目安になるかもしれません。
       今回AFセンサーは、従来のCCDから、CMOSに変わり、正方画素形式になりました。
       DPCMOSに活かせるでしょうか。活かして欲しいですねぇ!

      >後は、シャッターの耐久性かな?この辺はまだ情報がないので、少し気になります。
       一応50万回と情報が出ていました~!

      >私はしんみりと90Dを買うと思います。
       マウントアダプタの不自由を許容できるなら、RPはアリだと思います。
       もちろん2桁機から見ても、多少「なんでこの機能ないの?」的な所はありますが… 画質は良いですよ!

      >というか、最初は絶対一眼レフがいいと思うんですよね。
       デジタルになったときも、フィルムから始めた方が良いと言われていましたし、きっと、この辺は続くんでしょうね。
       スマホのカメラ機能と違い、一眼レフ、ミラーレス陣営は、まだまだ旧来のカメラらしいカメラを作ってくれているので、これが本流の間は、カメラの源流から学んだ方が理解しやすいのは同意です。

       最近のカメラアプリのAIはすげーっすね。
       複数レンズの視差で奥行きを見ているので、割とスムーズにボケが再現されてたりして… ミラーレスカメラも、そのうち「クラシックスタイル」になってしまう気がします。
       (一般人には、それで十分でしょうしねぇ)

      千歳

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