渡辺はま子は、ヒット曲をとばして全盛時代に、内務省より「忘れちゃいやョ」の<ねえ>がエロをそそるとしてレコード発禁となり、続く「とんがらかっちゃ駄目よ」などで内務省に睨まれ、1年間歌手として歌唱謹慎。路線を変え、この「愛国の花」で愛国歌手としてカムバック。以後この曲や、「支那の夜」「蘇州夜曲」「何日君再来」など支那物を携え、ハードな戦地慰問、終戦時中国天津で一年間の虜囚生活をおくる。帰国後戦時中の行為をおおいに反省しまた謹慎生活をおくった。後、歌手として「雨のオランダ坂」でカムバック、罪ほろぼしの意もあって、モンテンルパのBC級戦犯救出に多方面で奔走、ハンセン病患者の支援に立ち上がる、という波乱万丈の人生をおくった。戦争中の自分の行為を完全に反省した立場から見ると、この「愛国の花」は手で顔を覆いたくなるようなものだったに相違ない。 御稜威(みいつ)とは、厳(いつ)を敬って言う言葉で、神や天皇の御威光のこと。 |