昭和29年(1954年)

♪山の一夜のゆきずりの〜♪という歌詞は青年にとって実に衝撃的でした。佐藤紅禄
の「ああ、玉杯に・・・」のように愛とか友情などのゴテゴテのステロタイプ
(ステ
レオタイプ
)表現という意味ですが。初代コロムビア・ローズは「どうせ拾った恋だ
もの」、「東京のバスガール」「かりそめの唇」など女性の一目惚れの歌が多いです
が、曲はメランコリックで叙情性に富んでいます。この哀愁日記が代表作と思います。
作詞の西条八十はいうまでもなく多彩な詩を残していますが、作曲の万城目正も「リ
ンゴの唄」「悲しき口笛」「あの丘越えて」など名曲を数多く残しています。この曲も、
八洲秀章の曲や「雨のオランダ坂」などとともに、MIDIファイルを作ってウェブ配信
しようという動機のひとつとなりました。
御射鹿池(みしゃかいけ)は、東山魁夷の代表作「緑響く」の背景となった池で、農
水省の「ため池百選」に選定されました。この池は長野県茅野市横谷渓谷(奥蓼科)
にあります。横谷渓谷には、乙女の滝王滝鴛鴦隠しの滝、などがあります。


懐メロ  八洲秀章&抒情歌  童謡・唱歌        「細道のMIDI倶楽部」TOPへ   2006/SEP/01 開設曲


    JASRAC No.000−0766−8

 御射鹿池 Photo by Hosomichi 

   哀愁日記


   作詞:西条八十(C)
   作曲:万城目正(C)
   歌唱:初代コロムビア・ローズ
   MIDI制作:滝野細道

 (一)
  山のひと夜の ゆきずりの
  愛の言葉を 忘れかね
  涙ぐみ 清い優しい 眸の君を
  呼べば都の 夕陽が紅い

 (二)
  雨の降る日は 窓の外
  風の吹く夜は 星の空
  あの人は いつもどこかで私を見てる
  泪ぐむよに いとしむように

 (三)
  弱い乙女の ゆく途は
  いつも砂漠の ひとり旅
  幸福は見えぬ小鳥か消え行く虹か
  愛の泉の 湧く街恋し