トロール船
昭和11年(1936年)
JASRAC No.000-1863-5
雨の夜船
作詩:佐藤惣之助 作曲:阿部武雄
歌唱:東海林太郎 台詞:田中絹代
制作:滝野細道

(一)
雨の夜船の 片隅で
今宵初めて 見た娘
なぜか小雨に 濡れながら
泣いているよな あの眼つき


【セリフ1】
「ああ 雨が降る、風が吹く、もう港のあかりも見えなく
なった。ああ こうしてあたしはどこへ行くのだろう。もう
あたしは何もかもすててしまった。あたしにはもう故郷
もない、愛する人もない、まるでこの暗いこの海に漂っ
ている小さな流れ木だ。海よもう泣かせておくれでない
。」

(二)
知らぬ港を 漂白
(さすら)いて
あすはどこまで 行くのやら
同じ想いの おれもまた
生きてあてないすたれ者


【セリフ2】
「ああ お酒、ええ飲みますわ。酔わせてちょうだい。
あたしは酔いたいの。酔って酔って何もかも忘れてし
まいたいの。どうせ流れの花よ。ねえ酔わせてちょうだ
い。そして泣かせて、泣かせてくださいね。」

(三)
名など聞くまい 尋ねまい
どうせおいらも 名無し鳥
雨の夜船で ただ一夜
飲んで笑って 別れるさ

懐かしのメロディー 童謡・唱歌・懐メロ 八洲秀章&抒情歌 昭和戦前の流行歌・新民謡 
2008/MAY/03