この「チャペルの鐘」は八洲秀章メロディーの集大成だと思います。特にこの淡く、清い恋心を歌った歌詞に、うまく、透明で抒情的なメロディーをつけたのは真に秀逸です。失恋の歌は暗く、じめじめした、退廃的なものになりがちですが、「あざみの歌」や「さくら貝の唄」も含め、この透明感を含んだ抒情性は、独特の八洲秀章の世界を形成しています。和田隆夫(1911〜1996)は、美空ひばりの「涙のはぐれ鳥」を始め多くの歌手に詞を提供していますが、代表曲はこの「チャペルの鐘」と当倶楽部の「ダンスパーティーの夜」でしょう。
(三)
忘られぬ 想い出の小径よ
白いチャペルに 続く径
若き悩み 風に告げて
アベマリア 泪に歌えば
白いチャペルの ああ
白いチャペルの 鐘が鳴る
昭和27年(1952年)
オランダ坂の近く大浦天主堂
Photo taken by Hosomichi
作詞:和田隆夫(C)
作曲:八洲秀章(C)
歌唱:岡本敦郎
MIDI制作:滝野細道
(一)
懐かしの アカシアの小径は
白いチャペルに 続く径
若き愁い 胸に秘めて
アベマリア 夕陽に歌えば
白いチャペルの ああ
白いチャペルの 鐘が鳴る
(二)
嫁ぎ行く あの人と眺めた
白いチャペルの 丘の雲
淡き想い 風に流れ
アベマリア 静かに歌えば
白いチャペルの ああ
白いチャペルの 鐘が鳴る