昭和5年(1930年)        JASRAC No.024−0015−4
著作権消滅曲
祇園小唄   

作詞:長田幹彦(PD)
作曲:佐々紅華(PD)
歌唱:藤本二三吉
MIDI制作:滝野細道


(一)
月はおぼろに 東山
霞む夜毎の かがり火に
夢もいざよう 紅ざくら
しのぶ思いを 振袖に
祇園恋しや だらりの帯よ

(二)
夏は河原の 夕涼み
しろい襟あし ぼんぼりに
かくす涙の 口紅も
燃えて身を焼く 大文字
祇園恋しや だらりの帯よ

(三)
鴨の河原の 水やせて
咽ぶ瀬音に 鐘の声
枯れた柳に 秋風が
泣くよ今宵も 夜もすがら
祇園恋しや だらりの帯よ

(四)
雪はしとしと まる窓に
つもる逢うせの さしむかい
火影つめたく 小夜ふけて
もやい枕に 川千鳥
祇園恋しや だらりの帯よ

  童謡・唱歌 八洲秀章&抒情歌 昭和戦前の流行歌・新民謡 昭和戦後の歌謡曲・演歌
  *2006/SEP/01 開設曲初期値
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「祇園小唄」は長田幹彦が祇園に居続けて、「祇園夜話」などの祇園ものを執筆中に作詞
したものに、「浪花小唄」などの佐々紅華が作曲した何とも艶っぽい唄であります。長田
幹彦は本来小説家で、長編
300、短編600作以上があり、「新金色夜叉」なんぞと、お宮さ
んのその後の本も書いているようです。作詞も、「祇園囃子」、「新民謡」などを三百

以上作っていますが、今に残る有名な曲といえば、なんといってもこの「祇園小唄」と中
山晋平と作った「天竜下れば」でしょう。
佐々紅華は時雨音羽と組んで、「君恋し」「神
田小唄」などの名曲を残しています。