この「大きな古時計」は1940年に『お祖父さんの時計』としてレコード化されたことがありましたが、1962年にNHKの『みんなのうた』で保富庚午により訳詩されて放送され一般化しました。保富庚午の訳はおおむね原作に沿っているようですが、原作は<お祖父さんが死んだ "The old man died.>が随所に出てくるのを、<天国へのぼる>とソフトにしています。 保富庚午(ほとみ こうご、1930年(昭和5年)3月2日〜1984年(昭和59年)9月19日、和歌山県すさみ町出身)は主としてTV番組のテーマソングやアニメソングなどをつくりましたが、「お花がわらった」などの童謡もあります。2007年、川内康範の作詞した「おふくろさん」に内容と正反対の冒頭詞を入れたとして森進一と確執が起こりましたが、それを提案したのが保富庚午だった、というので話題を呼びました。その時は既に亡くなっていましたので、<おふくろさん騒動>に巻き込まれるようなことはありませんでしたが。 それにしても保富庚午は、Wikipediaをはじめ、殆どのサイトで『保富康午』と表記されています。『庚』と『康』は同じとされているのでしょうか?細道の解釈では、保富庚午が正しい。というのも、保富庚午が生まれた1930年(昭和5年)は十干十二支でいいますと【庚午=かのえうま】の歳ですから、親が<庚午・こうご>とつけたのは当時としてはごく普通のことでしたから。政財界の重鎮に『藤井丙午(ふじいへいご)』という人がいましたが、この人<丙午=ひのえうま>ですからね。それとも保富庚午自身が<めんどくさいから保富康午でいいや>とでもいっていたのでしょうか。 |