昭和31年(1956年)
JASRAC No.039-0206-4
 
  Photo by Hosomichi
十九の春
作詞:吉川静夫
作曲:清水保雄
歌唱:神楽坂浮子
制作:滝野細道

(一)
好いちゃいけない 好かれない
ただあきらめる 恋もある
きれいなだけの 思い出の
花よ十九の 春に咲け
 
 (三)
 誰もいちどは 見る夢と
 忘れるだけが 倖せと
 おしえてくれた 知らされた
 乙女十九の 春に泣く
 
(二)
一人ぼっちの 寂しさを
だまっているの スイートピー
今日だけなのよ 二人きり
君と十九の 春を呼ぶ
 
 (四)
 舞台化粧も 誰ゆえに
 紅さえ滲む 身に沁みる
 こころも晴れて 微笑めば
 うれし十九の 春の歌
 
童謡・唱歌 懐かしのメロディー 八洲秀章&抒情歌 昭和戦後の歌謡曲・演歌  *2009/JAN/23

戦前より<芸者歌手>というジャンルの流行歌がありました。当倶楽部でも、市丸、音丸、美ち奴、藤本(葭町)二三吉、小唄勝太郎、新橋喜代三、豆千代、神楽坂はん子などの歌ががアップしてあります。皆、お座敷から出て来たそのままの、独特の小唄風節回しで歌っております。この「十九の春」の神楽坂浮子(うきこ)はもともとは芸者ではなく、芸者風の歌手になりたくて、神楽坂はん子に弟子入りし、芸者作法、しぐさなど学んでデビューを計りました。はん子はもとより、市丸、美ち奴などの芸者歌手も、普通の芸者以上の歌い方に驚き、デビューの後押しをしました。神楽坂浮子は<最後の芸者歌手>と呼ばれています。