戦前より<芸者歌手>というジャンルの流行歌がありました。当倶楽部でも、市丸、音丸、美ち奴、藤本(葭町)二三吉、小唄勝太郎、新橋喜代三、豆千代、神楽坂はん子などの歌ががアップしてあります。皆、お座敷から出て来たそのままの、独特の小唄風節回しで歌っております。この「十九の春」の神楽坂浮子(うきこ)はもともとは芸者ではなく、芸者風の歌手になりたくて、神楽坂はん子に弟子入りし、芸者作法、しぐさなど学んでデビューを計りました。はん子はもとより、市丸、美ち奴などの芸者歌手も、普通の芸者以上の歌い方に驚き、デビューの後押しをしました。神楽坂浮子は<最後の芸者歌手>と呼ばれています。 |