かもめの水兵さん
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この「かもめの水兵さん」が作られたのが昭和12年。昭和12年といえば戦雲急を告げ、日中戦争(いわゆる支那事変)が勃発した年です。武内俊子はこの時代、「船頭さん」「リンゴのひとりごと」「赤い帽子白い帽子」などを作詞し、特にこの「かもめの水兵さん」と「船頭さん」が戦時色の強い童謡でしたが、武内俊子は昭和20年終戦を待たずに病没しました。戦後「船頭さん」は改作されましたが、この歌は<水兵さん>以外に戦争を思わせるものが無かったので、改作はされませんでした。河村光陽は、このサイトだけでもこの歌、「うれしいひな祭り」「船頭さん」「なかよし小道」「ほろほろ鳥」「りんごのひとりごと」などを作曲しましたが、光陽が「うれしいひな祭り」を作曲した昭和9年(1934年)ころから童謡の発表はパタリと止まり、以後戦争が終わっても復活することはありませんでした。この中にあって、河村光陽、海沼実、山口保治などがわずかに終戦まで頑張っただけです。その河村光陽も昭和21年(1946年)に死去しました。 |