軍歌には「愛国行進曲」、「海ゆかば」などの官製的なもの、「愛国の花」などのように通常リリースでヒットしたもの、戦地で兵士の間で歌われていた「異国の丘」、ああモンテンルパの夜は更けて」、「軍隊小唄」、「ズンドコ節」、「ラバウル小唄」、そしてこの「可愛いスウチャン」などがあります。このうち、戦地で歌われた兵士の<軍歌>は自然発生的で、戦争を揶揄するもの、厭戦的なものが多く、終戦直後は<作詞作曲者不詳>ということになっていました。「異国の丘」、「ああモンテンルパの・・・」、「ラバウル小唄」は作詞者・作曲者が判明しましたが、明らかになっていないものがまだあります。この「可愛いスウチャン」も殆どのスコアには<作詞作曲者不詳>と記載されていますが、JASRACには【作詞者:水木かおる】として全信託されています。 水木かおるは、「アカシヤの雨が止む時」をはじめとする西田佐知子の歌、渡哲也、牧村三枝子など多くの歌を作詞しているのは周知のとおりです。この「可愛いスウチャン」は昭和34年の日活映画<檻の中の野郎ども>の「練鑑ブルース」で使われていますが、そのためかあらぬか、水木かおるは日活スターの歌も多く作詞しています。 |