(二)
生きることは 旅すること
終わりのない この道
愛する人 そばに連れて
夢探しながら
雨に降られて ぬかるんだ道でも
いつかはまた 晴れる日が来るから
ああ川の流れのように おだやかに
この身をまかせていたい
ああ川の流れのように 移り行く
季節 雪どけを 待ちながら
***
ああ川の流れのように おだやかに
この身をまかせていたい
ああ川の流れのように いつまでも
青い せせらぎを 聞きながら
(一)
知らず知らず 歩いてきた
細く長い この道
振り返れば 遥か遠く
故郷(ふるさと)が見える
でこぼこ道や 曲がりくねった道
地図さえない それもまた人生
ああ川の流れのように ゆるやかに
いくつも時代は過ぎて
ああ川の流れのように とめどなく
空が 黄昏(たそがれ)に 染まるだけ
川の流れのように
作詞:秋元康(C) 作曲:見岳章(C) 歌唱:美空ひばり MIDI制作:滝野細道
昭和64年は1月7日までで、この歌のシングル発売日は1989年1月11日ですから、一応平成最初の歌と言えますが、美空ひばりは昭和63年中にレコーディングなど全てを済ませておりましたので、創られたのは昭和の歌とも言えます。病をおして開催した東京ドームの「不死鳥リサイタル」が昭和63年4月。リサイタルのアルバム「不死鳥T、U」をレコーディングしたのが同年秋。その「U」の中にこの「川の流れのように」が入っていたのです。同年末、最後といわれた2回のディナーショウにもこの歌を歌い、明けて昭和64年1月4日TBSの「春一番!熱唱美空ひばり」の中でも披露し、1月11日のシングルリリースを待つばかりとなりましたが、1月8日に年号は<平成>と変わりました。このような経過を見ると、この「川の流れのように」は美空ひばりの昭和最後の大ヒット曲と言えるでしょう。この歌は、功成り名を遂げた人が自分の来し方を回顧する、というものですが、作詞の秋元康が美空ひばりの行く末を知ってか知らずか、ひばりの人生の集大成のような歌を作りました。美空ひばりも早くこの歌をシングル化するように迫ったといいます。これは一方の大スター石原裕次郎も同じで、自分の人生を歌った「我が人生に悔いなし」をレコーディングはしましたが、シングルの発売を見ることもなく逝去しました。 License:GNU-FDL1.2.by Takahashi.J from Wikimedia