JASRAC No.027−5658−4
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かやの木山(の) |
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榧の木山の榧の実 |
作詞:北原白秋(PD) 作曲:山田耕筰(C)
MIDI制作:滝野細道
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かやの木山の かやの実は
いつかこぼれて ひろわれて
山家(やまが)のお婆さは いろり端(ばた)
粗朶(そだ)たき 柴たき 燈(あか)りつけ
かやの実かやの実 それ爆(は)ぜた
今夜も雨だろ もう寝よよ
お猿が啼(な)くだで 早(は)よお眠よ |
*2008/MAY/04 |
「かや」は【萱】、【茅】、【榧】などがありますが、北原白秋の原詩にも平仮名で<かや>
としてあるのでしょう。漢字ではどう書くのかというのはネットや辞書で調べても判然とし
ません。しかし、萱、茅のほうは、刈萱とか茅葺屋根などと使われるイネ科の植物なの
で<かやの木山>、とか<実がはぜた>などの歌詞にはそぐわないようです。色々調
べを進めて見ますと、山に自生する巨木で実の種が食べられるという【榧】が、この歌の
<かや>であると思われます。榧は巨木なうえ、年輪や木目もしっかりしており、小枝が
少ないため節も少なく、弾力性に富んでいるため、古来より碁盤や将棋盤に使われてき
ました。特に、樹を輪切りにして年輪の中心と樹皮の間のごく一部を縦に切り取ると、両
側面を除き残りの四面全部が柾目という碁盤が取れることがあります。将棋盤より碁盤
のほうが大きいので、こうしたものを取るのは難しく、「天地柾」碁盤として珍重され、厚さ
六寸以上のものは数千万円の値段が付きます。
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