この「君恋し」は、「浪花小唄」「神田小唄」と同じ時雨音羽・佐々紅華のコンビの曲です。佐々紅華東京下町の出身で、浅草オペラの艶っぽさと派手やかさを唄に反映させており、「祇園小唄」などがその代表ですが、昭和3年のこの和製ジャズの「君恋し」は昭和36年フランク・永井によって再リリースされ、第3回レコード大賞を獲得しています。
作詞:時雨音羽(C)
作曲:佐々紅華(C)
歌唱:二村定一
MIDI制作:滝野細道
(一)
宵闇せまれば 悩みは果てなし
みだるる心に うつるは誰が影
君恋し 唇あせねど
涙はあふれて 今宵も更け行く
(二)
唄声すぎゆき 足音ひびけど
いずこにたずねん こころの面影
君恋し おもいはみだれて
苦しき幾夜を 誰がため忍ばん
(三)
去りゆくあの影 消えゆくあの影
誰がためささえん つかれし心よ
君恋し ともしびうすれて
えんじの紅帯* ゆるむもさびしや
*紅帯:べにひも