大正14年(1925年)
JASRAC No.033-2994-1
小諸なる古城のほとり

作詞:島崎藤村
作曲:弘田龍太郎
制作:滝野細道


小諸なる古城のほとり
雲白く遊子悲しむ

緑なす繁縷(はこべ)は萌えず
若草も籍(し)くによしなし
しろがねの衾(ふすま)の岡辺(おかべ)
日に溶けて淡雪流る

あたたかき光はあれど
野に満つる香(かおり)も知らず
浅くのみ春は霞みて
麦の色わずかに青し

旅人の群はいくつか
畠中の道を急ぎぬ
暮行けば浅間も見えず
歌哀し佐久の草笛歌哀し

千曲川いざよう波の
岸近き宿にのぼりつ
濁(にご)り酒濁れる飲みて
草枕しばし慰む

童謡・唱歌・懐メロ八洲秀章&抒情歌昭和戦前の流行歌・新民謡  *08/JUN/15