昭和5年
 「この太陽」という曲は全く知りませんでした。昭和30年代後半の「ラジオドラマこの太陽」で放送され、初めてああいい歌だな、と。内容はこの歌詞のままでしたが、声の主演が、男性が当時声優としても人気があった北村和夫、女性は日活のスター浅丘ルリ子が演じていました。菊田一夫の「君の名は」と同じような擦違いストーリーでしたが、あまり評判にはならなかったようです。しかし、浅丘ルリ子の歌ったこの主題歌は、「夕陽の丘」などと同様、あまりうまいとは言えませんでしたが、そのリリシズムに富んだ声は記憶に残りました。
 この曲は全音の「全音歌謡曲全集10」のBマイナーからDマイナーに移調しておりますが、歌詞のほうも私の記憶からするとかなり変わっております。例えば
【 】内は【荒野の果ての太陽よ 明日は結んだ手に昇れ】と記憶していますが、全音の方は全く違います。私の記憶違いと言っても、余りにも違いますし、むしろその方が歌詞全体にピッタリするような気もしますので、不思議です。5番目の歌詞があって混同したのか、「ラジオドラマこの太陽」放送時に西条八十氏は確か存命でしたのでラジオドラマ用に変更したのか、はたまた私の完全な勘違いなのか、どうでしょうか?
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       JASRAC No.031-2806-7


      この太陽

 
   作詞:西条八十
   作曲:中山晋平
   歌唱:佐藤千夜子
   制作:滝野細道

              
 1.小さいときから いいなずけ
   二人で真似た ままごとの
   庭の桜の 咲くにさえ
   楽し昔が 忘らりょか
 
 2.二人が大きく なってから
   哀しい恋の 巡礼者
   あなたはあなたの 道を行き
   私は私の 道を行く

 3.あてない旅と 知るものの
   せめてを頼む 恋心
  
淋しい愛の 太陽よ
   乙女は泣いているものを


 4.思わぬ人に 思われて
   恋しき人の冷たさよ
   泣けば涙の 露にさえ
   そのおもかげの 浮かぶ君



   お家に帰ろう・・・・・全音楽譜による「この太陽

    *08/5/5