黒百合の歌 (松竹映画「君の名は」主題歌) | |
作詞:菊田一夫 作曲:古関裕而 歌唱:織井茂子 MIDI制作:滝野細道 |
黒百合 Photo from Botanical Garden |
(一) 黒百合は 恋の花 愛する人に 捧げれば 二人はいつかは 結びつく あ〜あ〜 あ- - - - -あ〜〜 あ〜あ〜 あ- - - - -あ〜〜 この花ニシパに あげようか あたしはニシパが 大好きさ |
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(二) 黒百合は 魔物だよ 花の香りが しみついて 結んだ二人は はなれない あ〜あ〜 あ- - - - -あ〜〜 あ〜あ〜 あ- - - - -あ〜〜 あたしが死んだら ニシパもね あたしはニシパが 大好きさ |
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*** 黒百合は 毒の花 アイヌの神の タブーだよ やがてはあたしも 死ぬんだよ あ〜あ〜 あ- - - - -あ〜〜 あ〜あ〜 あ- - - - -あ〜〜 |
*10/MAR/20 |
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細道は、この「黒百合の歌」を歌っていた頃、これが「君の名は」の主題歌だとは全く 知りませんでした。<アイヌの神>や<ニシパ>という語からただ何となくアイヌの男 女の恋を歌った歌のように思っていました。このMIDIを制作するに当たって初めて資 料から知ったわけですが、歌謡曲通を自任する私には慙愧に堪えないことでありす。 単にそれに接する機会がなかったというに過ぎませんが、この歌は映画のみの主題 歌だったということで、当時の田舎の高校生は、そう簡単に映画なんぞ見に行けませ ん。また、当時北海道アイヌの代表団が本土の地方巡りをし、ユーカラや躍りを披瀝 し衣装などを展示ていたこととか、「イヨマンテの夜」、「オロチョンの火祭り」「サロマ 湖の歌」などが大ヒットしていたことから、それら流行り歌の一つと思っていたに過ぎ なかったわけです。この結果、今は自宅の庭にも咲いている<黒百合>は何となく 北海道の固有種であると思っていましたし、「イヨマンテの夜」も「鐘の鳴る丘」の劇 中歌と知ることもなく現在に至ったわけです。 「サビタの花」や「イヨマンテの 夜」の歌詞中に<メノコ>とありますので、メノコ=娘、乙女と理解し、<ニシパ>も <男の恋人>くらいの意味かな、と思っていましたが、<ニシパ>とは、単に若くカッ コいい男の恋人のことではなく、エカシ(長老)を含む立派な地位にある男、紳士であ る男を表す言葉で、乙女が愛する相手の男性を<ニシパ>と呼ぶ時は、相手が<指 導力があり尊敬できる(若くカッコいい)男>であるようです。古日本語ではさしずめ< わが君>でしょうか。この「黒百合の歌」の<ニシパ>は、劇中の後宮春樹のことです。 |