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 昭和14年(1939年)   JASRAC No.059-0030-1
長崎のお蝶さん

作詞:藤浦  洸
作曲:竹岡信幸
 
 歌唱:渡辺はま子
 制作:滝野細道

(一)
ナガサキ 長崎 南の町よ
丸にやの字の マリヤぶね
むかしおひげの バテレンを
待った丸山 いしだたみ
赤い提灯 灯(ひ)がついて
今は涙の お蝶さん

 (三)
 ナガサキ 長崎 南の町よ
 なさけひとすじ 立つけむり
 あれはメリケン いくさぶね
 待ったお方は 来たけれど
 死ぬほどつらい 人連れて
 さてもかなしい お蝶さん

(二)
ナガサキ 長崎 港の町よ
みなとそよそよ 南風
風にたよりが ないゆえに
いとしかわいい あですがた
沖を眺めて 背のびする
誰(たれ)を待つのか お蝶さん

 童謡・唱歌 懐メロ 八洲秀章&抒情歌
 *09/NOV/12  「細道のMIDI倶楽部」TOPへ

渡辺はま子のこの「長崎のお蝶さん」は、昭和11年に「忘れちゃいやよ」の<ネエ>がエロをそそるとして当局から発禁をくらい、昭和12年は丸々謹慎、昭和13年「愛国の花」を歌ってやっと歌謡シーンに戻ってきて、続いて支那ものに転向し、昭和13年「「支那の夜」、昭和14年の「何日君再来」「広東ブルース」、昭和15年の「蘇州夜曲」などと同時期にリリースされました。しかし、この曲は支那ものと違い、鬼畜米英の気運が高まってきた中で、愛する紅毛人を待つ唄ですから、当局がよく許可したものです。渡辺はま子はもともと1/4の混血ですから尚更でしょうが、1年間の謹慎が効いたのかもしれません。