奈良坂
少し前、平城山の奈良坂に立って、北見志保子の「平城山」を偲んできました。下から徒歩で般若寺まで行ってきましたが、最初のイメージとは違って、下町風の家が軒を並べた坂の道でした。上から奈良市街を見渡すポイントはないかと探しましたが、カメラアングルもなく、ゆえにここに写真を掲載することはできません。
この「平城山」は、歌人北見志保子の短歌を二首選んで、平井康三郎が曲をつけたものといわれます。一首目は、北見が平城山を訪れて詠んだ歌で、二首目は自分のなさぬ恋を、いにしえの天上人の恋になぞらえて詠んだ歌であります。
<もとほり来つつ>というのは、林古渓「浜辺の歌」の二番♪ゆうべ浜辺をもとおれば♪の<もとおり>と同じで同歌の一番にある♪あした浜辺をさまよえば♪の<さまよう>と同じ意味であります。<夫(つま)>については、もともと<つま>とは夫婦がもう一方を呼ぶ呼び名で、浪曲<壺坂霊験記>にあります、♪つまはおっとを労わりつ〜〜おっとはつまに慕いつつぅぅ〜〜〜♪も妻と夫が逆のような気はしますが、夫の沢市は盲目であったので・・・
平城山
作詞:北見志保子(PD)
作曲:平井康三郎(C)
MIDI制作:滝野細道
(一)
人恋ふは
悲しきものと
平城山に
もとほり来つつ
たへ難かりき
(二)
いにしへも
夫(つま)に恋ひつつ
越へしとう
平城山の路に
涙おとしぬ
2006/SEP/01 開設曲