明治27年(1896年)

JSC No.006-9136-4
夏は来ぬ2
作詞:佐佐木信綱(C)
作曲:小山作之助(PD)
MIDI制作:滝野細道

(
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卯の花の 匂う垣根に
時鳥
(ほととぎす)早も来鳴きて
忍音(しのびね)もらす 夏は来ぬ


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 楝
(おうち)散る 川辺の宿の
 門
(かど)遠く 水鶏(くいな)声して
 夕月涼しく 夏は来ぬ

(二)
五月雨(さみだれ)の 注ぐ山田に
早乙女が 裳裾(もすそ)濡らして
玉苗
(たまなえ)植うる 夏は来ぬ

 (
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 五月闇(さつきやみ)蛍飛び交い
 水鶏
(くいな)鳴き 卯の花咲きて
 早苗植えわたす 夏は来ぬ


(三)
(たちばな)の 薫る軒端(のきば)
窓近く 蛍飛び交い
おこたり諫
(いさ)むる 夏は来ぬ
 童謡・唱歌・懐メロ 八洲秀章&抒情歌 昭和戦後の歌謡曲・演歌
  2006/SEP/01 開設曲

この「夏は来ぬ」は一見夏が来たことを謳歌するものの歌と見えますが、それだけでは三番の♪おこたり諫る♪と5番目が何ともしっくり来ません。解釈でも無視している場合が多いようです。しかし、一番は<ほととぎすはまだうまく鳴けないのに、早くも懸命に練習しているではないか>と読めます。二番は<五月雨の中、早乙女は季節に遅れまいと裳裾を濡らして懸命に田植えしている>三番は<蛍の寿命は6〜7日しかないのに懸命に夏の到来を告げている>、四番は<臆病でめったに姿を見せない水鶏でさえ、クークーと声をだして夏を告げている>。五番、<さあ、夏だ夏だ、夏が来た。自然に習い人間の行いも季節をおこたってはならない夏が来たよ、と読めます。三番、五番が中心と思います。家人の家に佐佐木信綱が長逗留したことがあったようです。