昭和23年(1948年)      JASRAC No.013-0202-7
男一匹の歌

作詞:夢  虹二
作曲:佐藤長助


 歌唱: 岡 晴夫
 MIDI制作:滝野細道

(一)
赤い夕陽は 砂漠のはてに
旅を行く身は ラクダの背中
(せな)
男一匹未練心は さらさらないが
なぜかさびしい 日暮れの道よ

 (三)
 月の出潮は 心がぬれる
 吹くなモンゴーの 砂漠の風よ
 男一匹明日の希望を 心に秘めて
 行けば鳴る鳴る ラクダの鈴よ

(二)
昨日
(きのう)ラマ塔の 花咲くかげで
ちらと見た娘
(こ)の 似ている瞳
男一匹何も言うまい 昔の夢だ
空にゃほのかに 七つの星よ

 懐メロ 童謡・唱歌 八洲秀章&抒情歌
 *10/01/31 「細道のMIDI倶楽部」TOPへ

この「男一匹の歌」の歌詞を見ますと、戦前の「国境の町」、「国境の春」
「急げ幌馬車」、「旅のつばくろ」、「旅人の唄」、「夕日は落ちて」などなど
ソ満国境やモンゴル、ロシアの旅を歌ったものと酷似しています。そう、実
はこの歌は、昭和12年に始まった<日中戦争>真っ只中の昭和14年に
発表されたもので、その時の曲名は一番の冒頭と同じ「赤い夕陽は砂漠の
はてに」でリリースされたもの。まさにソ満・モンゴルの歌だったのです。そ
れがまだ占領時代でGHQの検閲もあった昭和23年に再リリースできたの
ですから、どういう事情があったのでしょうか?歌詞の中に<戦意高揚>
に類する文言が無かったからでしょうか?モンゴルを<モンゴー>としたか
らでしょうか? 
Illustration(Silhouette) by Hosomichi