トロイメライ（「子供の情景」7番）

シューマン（1810−1856 Robert Alexander Schumann ロベルト
・アレグザンダー・シュウマン）はロマン派時代の大作曲家とし
て日本の教科書にも載り、大体誰でも知っていますが、さて、そ
れではどのような人で、どのような曲を残したか、となると、は
てな？と腕組みをせざるを得ません。「トロイメライ？ああそう
か、『子供の情景』の一曲か」。もともと、オペラや歌曲を除い
て、作曲家の曲は名前があるわけではありません。誰それの交響
曲第5番嬰ハ短調、ピアノ協奏曲第3番、エチュード第2番などと
言われているものばかりです。その中でも良いもの、有名なもの
には後代の人によって呼称（愛称？）が付けられていきます。ベ
ートーヴェンなどは「田園」「運命」など交響曲のほとんどに、
ショパンはワルツの曲に名前が付けられ、後世に残っていきます
。シューマンも下は＜ピアノ弾き＞で珠玉の歌曲は沢山作曲して
いますが、私たちがちょっと聞いて分かるような名前のものは残
していません。一発屋ウェルナーとはえらいちがいです。シュー
マンの最大の功績は、作曲もさることながら、音楽評論によって
ショパンやブラームス、シューベルトなどを世に出したこと、旋
律、和声、リズム、音符の斬新な使い方による楽曲構成などに著
しい改変を加え近代音楽の礎とした、ということにあるようです。