JASRAC No.095−0263−7

     忘られぬ花 昭和7年

     作詞:西岡水朗
     作曲:江口夜詩
     歌唱:松平 晃
     制作:滝野細道

     (一)
     忘られぬ 花のかおりよ
     そのかみの 君が面影
     ああ 空ろなる 夢にも似て
     はかなきは 恋の運命(さだめ)
     ああ・・・

       (間奏)

     (二)
     晴れやらぬ 胸の思いよ
     そのかみの 君が言葉(ことのは)
     ああ 遥かなる 星にも似て
     冷たきは 恋の名残りか
     ああ・・・

     お家に帰ろう

この作詞の江口夜詩【えぐち・よし、1903(明治33)1978(昭和53)】は音楽好きの若者で最初は海軍軍楽隊に入隊し、才能を認められ、海軍在籍で東京音楽学校(現:芸大)に委託生として六年間通学し、軍楽隊のための曲を作曲しました。1931年(昭和6年)28歳で海軍を退役し、翌年、何と言うこともなく作曲したこの「忘られぬ花」が大ヒット。流行歌の作曲家として歩みを始めました。当倶楽部にも「十九の春」「急げ幌馬車」「夕日は落ちて」「長崎のザボン売り」「赤いランプの終列車」がアップしてあります。終生、古賀政男とはライバル関係にありました。作詞の西岡水朗【にしおか・すいろう、1909(明治42)1955(昭和30)】は長崎県出身の詩人で、既に1930(昭和5)までに<雲仙音頭><長崎小唄>などを作詞していましたが、上京して翌年、気鋭の江口夜詩と、この「忘られぬ花」を作り、流行歌もものしましたが、新民謡主体の作詞活動だったようです。

      *08/5/11