昭和11年
この「忘れちゃいやよ」は、ねえねえソングのはしりで、このあと、佐藤千夜子の「愛して頂戴」、美ち奴の「ああそれなのに」、はま子の「とんがらかっちゃ駄目よ」などなど、一世を風靡しましたが、時節柄好ましくないとされて、禁止となりました。以後、渡辺はま子は戦地慰問に力を入れ、戦地を巡って歩きました。終戦で中国側の捕虜となり、一年間の虜囚生活をおくったのは有名な話です。はま子は、宣撫をした自分を反省し、フィリピンで死刑囚戦犯を救い出すために奔走するという、数奇な生涯をおくりました。

  JASRAC No.095−0113−4


   忘れちゃいやよ

  作詞:最上 洋
  作曲:細田義勝
  歌唱:渡辺はま子
  制作:滝野細道


 
(一)
  
月が鏡であったなら
   恋しあなたの面影を
  夜毎うつしてみようもの
  こんな気持ちでいるわたし
  ねえ 忘れちゃいやよ
  忘れないでね

 (二)
  昼はまぼろし夜は夢
  あなたばかりにこの胸の
  熱い血潮がさわぐのよ
  こんな気持ちでいるわたし
  ねえ 忘れちゃいやよ
  忘れないでね

 (三)
  風に情があったなら
  遠いあなたのその胸に
  燃える思いを送ろうもの
  こんな気持ちでいるわたし
  ねえ 忘れちゃいやよ
  忘れないでね

 (四)
  淡い夢なら消えましょに
  こがれこがれた窓の灯が
  なんで消えましょ消されましょ
  こんな気持ちでいるわたし
  ねえ 忘れちゃいやよ
  忘れないでね



   お家に帰ろう   *08/5/10