月見草:開花から萎むまで
「宵待草」という花は無いことから、竹久夢二はなんの花を宵待草と呼んだのか、という議論が絶えません。【待宵草】を間違って宵待草としたという珍説もあるくらいです。上掲の写真のようにマツヨイグサ類は語感も合い、通常<月待草・月見草>とも呼ばれていたことから詩の内容とも合うので、<オオマツヨイグサ>であろうと言われています。しかし、宵を待って咲く花には、本物の月見草、ユウガオ、ヨルガオなどもあり、一概に決め付けられるものではありません。
この唄は、『月の出をただひたすら待って咲くしかない花になぞらえ、主(ぬし=月)=の来訪をただひたすら待って夜しか女として咲けない日陰者の女性』のことをうたったものですから、路傍に一輪ひっそりと咲く<ツキミソウ>のイメージの方がシックリとくるように思われます。が、竹久夢二は【宵を待ってひっそりと咲く野辺の野草】の総合的イメージから【宵待草】という名前を創造したのでしょうから、イメージ元の花を想定しようとしても無益なことでしょう。

ツキミソウ(真正)

コマツヨイグサ
Photo by Hosomichi

    JASRAC No.092−0014−2(著作権消滅曲)

    宵待草
     (昭和3年)

  作詞:竹久夢二(PD)
  作曲:多 忠亮
(PD)
  歌唱:高峰三枝子
  MIDI制作:滝野細道



  (一)
  待てど暮らせど 来ぬ人を
  宵待草の やるせなさ
  **
  今宵は月も 出ぬそうな
 

  
(1コーラス間奏)
 


  (二)
  暮れて河原に 星一つ
  宵待草の 花が散る
  **
  更けては風も 泣くそうな


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      *2008/MAY/10