【筒井筒】 この「湯島の白梅」の全体を表す言葉に<筒井筒>があります。筒井筒??筒井筒とは、<丸井戸を囲った垣>のことで、幼い頃男女が遊んだ場所の意味です。いわば<竹馬の友><幼馴染み>のことで、特に一旦疎遠になった幼馴染の男女が長じて結婚することを言います。『あの二人は幼稚園前から筒井筒だったからなあ』などと使います。<伊勢物語二十三段>に由来していますが、謡曲和歌、歌舞伎などにも出てきます。流行歌では、「唐人お吉の唄(明鴉編)」にも鶴松お吉の筒井筒として出てきます。そうしてみますと泉鏡花の『婦系図』を読んでなくても全体像が彷彿としてきます。お蔦の「別れろ切れろは芸者のときに言う言葉・・・今の私にはいっそ死ねと言ってください」が有名です。 |