昭和45年(1970年) JASRAC Code No.036-2731-4
(三)
あれは八月 暑(あつ)い夜
すねて十九を 越えた頃
細いナイフを 光らせて
にくい男を 待っていた
愛と云うのじゃ ないけれど
私は捨てられ つらかった
(四)
そしてこうして 暗い夜
年も忘れた 今日のこと
街にゆらゆら 灯(あか)りつき
みんな祈りを するときに
ざんげの値打ちも ないけれど
私は話して みたかった
ざんげの値打ちもない
作詞:阿久悠 作曲:村井邦彦 歌唱:北原ミレイ MIDI制作:滝野細道
この歌には、上記の三番と四番の間に<幻の四番>と呼ばれる歌詞があります。
伴奏もなく、北原ミレイが独白のように歌います。阿久悠独特の世界です。
(四) あれは何月風の夜 とうに二十歳(はたち)も過ぎた頃 鉄の格子の空を見て
月の姿が淋しくて 愛と云うのじゃないけれど 私は誰かが欲しかった
(一)
あれは二月の 寒い夜(よる)
やっと十四(じゅうし)に なった頃
窓にちらちら 雪が降り
部屋はひえびえ 暗かった
愛というのじゃ ないけれど
私は抱かれて みたかった
(二)
あれは五月の 雨の夜
今日で十五と 云う時に
安い指輪を 贈られて
花を一輪(いちりん) かざられて
愛と云うのじゃ ないけれど
私は奉(ささ)げて みたかった