豚の角煮

不意に思い立ち「手間の掛かる料理」で検索したところ、マイナビのこの記事がヒットしました。

Q. あなたが人生で最も手間をかけたなと思うぜいたく料理は何ですか?
1位 「豚の角煮」(16.0%)

ええー！
何が面倒なんだ！！　と言うぐらい基本的な料理じゃないですか！

と考えていたら、無性に角煮が食べたくなったので、さっそく作ります。
角煮にしたとき、豚の脂肪が多く残っていると胸焼けします。
若い内はそれでもいいのですが、年齢を重ねた胃袋には辛いのです。

なので、今回のレシピはコンフィ(油煮)します。旨みを残しつつ、サッパリ食べられる角煮を目指します。油は油の方が溶け出しやすい(クレンジングオイル的発想)です。

レシピを見ていると、脂身を予め削いでしまうというものも多いのですが、それだと旨味やコクが足りなくなってしまいます。
(見た目の分量的にも…)

64度で6時間ほど調理しました。
袋の中にある油が倍増してました。脂の中から油分が抜け、コラーゲンだけが残っている状態になります。
この時の身は、箸でホロホロ崩れるような柔らかさではありません。むしろ、弾力があるのに噛み切れる。そういう柔らかさです。

これを調味液に漬け、2時間ほど煮込みます。
煮汁の濃さが丁度良くなったら、火を止めて、徐々に温度を下げて味を染みこませます。
肉が適度に冷えて落ち着いたら、スライスして、ご飯の上に盛り付けて、角煮丼にしてみました。

肉の旨さがダイレクトにきます。
そして、想像以上にサッパリです。
この手の角煮をお腹いっぱい食べると、ゼッタイに胸焼けして、しばらく動けなくなるのですが、それが全くありません。むしろ、お代わり行けちゃうんじゃない？　と言うレベル。

こ、これは、神の豚肉では……？

続いて、小麦粉をコネコネして、蒸しパンを作ります。

パカッと割った真ん中に、溢れんばかりの肉を挟んでがぶり。

こ、これは、奇跡の豚肉では……？

 

と言うわけで、1kgのバラ肉を仕込んだのですが、3食で綺麗さっぱりなくなってしまいました。
あれ、おかしいな？　冷凍してしばらく保存できる量を作ったはずなのに…！

と言うわけで、低温でコンフィしてから作る豚の角煮はサッパリして美味しいです。オススメです。

【レシピ】
豚のバラ肉ブロック　1kg
塩　4g
生姜　親指大

→　適度な大きさに肉をカット
→　塩を揉み込んでビニール袋に入れる
→　生姜はスライス。これもビニール袋に一緒に入れる
→　肉が浸る程度にサラダオイルをビニール袋に入れる(100～200ccもあれば十分)
→　大きな鍋に水を張り、袋の中の空気を抜きながら投入。口から水が入らないように十分に注意。
→　極弱火で加熱。64度になったら、これを維持するように点火/休止を6時間繰り返す。
(80度なら2時間、58度なら8～10時間。あ、定温調理器があると便利ですね！)

水　500cc
醤油　大さじ　3
砂糖　大さじ　5
みりん　100cc
酒　100cc
ダシ昆布　1切
ネギの青いところ　適量

→　別の鍋に上記を全部入れて煮立たせる。少し煮えたら、ネギと昆布は取り出す。
→　ビニール袋から肉を取り出して、この鍋に移す。油分は極力カット。生姜も要らない。
→　2時間ほど極とろ火でコトコト煮る
→　1時間ほど休ませたら完成
→　肉を取り上げて、ボウルに移す
→　残った煮汁だけを、丁度良いと思うまで煮詰める
→　この時、ゆで卵(剥いてね！)を投入すると良いことがあるでしょう。
(ビニール袋に残った水分は、肉から出た旨味なので、鍋に合流させてもOK。難しいので捨てちゃってもいいかなー。ビニール袋の底を小さく切るのもアリ)

言うほど面倒じゃないよね！