昨年購入したCanonのミラーレスカメラ「R5」ですが、困ったことにISO感度を上げたときのノイズが多すぎて、カメラとして使うのを躊躇してしまうのです。
(実際は低感度からノイズが多いですが、あまり目立たないだけです)
雑誌やWebの紙面では「この画素数にして、この画質。高感度耐性。まさに新世代!」なんて書かれています。Twitterや、個人のBlogでも絶賛の嵐です。
購入当初は「ま、4500万画素もあれば、これぐらいノイズが乗るよね」なんて思っていました。それ以上に、恐ろしいほどに食いつくAFや、瞳認識、コマ速、CFexpressカードによる書き込みの速さに圧倒されていたのです。
R5を買ってからのお話しは、この辺りに。
https://www13.big.or.jp/~chitose/?p=5606
https://www13.big.or.jp/~chitose/?p=5614
https://www13.big.or.jp/~chitose/?p=5625
購入当初は、水族館でクラゲを撮りまくっていました。
当然、薄暗い場所で撮るので、ISO感度を上げていきます。
少なくとも、初代EOS Rと同等ぐらいの画質を期待していたのですが、これがおかしい。ISO12800は少なくとも使えず、できればISO6400も避けたい感じ。EOS Rからみても2段ほどノイズが多いように感じました。
R5には、超強力な手ぶれ補正があるために、ISO感度を極力下げたまま撮影することが出来たため「ま、こんなものか?」と思っていました。
過去の日記でも、1回も高感度ノイズについて褒めてません。というか、当初からISO12800程度で大きなノイズに悩まされているのが分かります。
しばらくしてYoutubeで様々な人のレビューが上がるようになり、食い入るように見ていました。そこでも、多くの人が高感度ノイズの少なさを絶賛しています。
そんな中、とある方のレビューで、ISO25600辺りで色むらが酷くでる、と言うものが有りました。Canonさん、なんとかしてねーみたいな感じで終わっており、ISO25600は多くの人が常用しない感度なので話題になっていない感じでした。
おいおい、嘘だろ。ISO6400でも場面によってはでるんだぜ?
Lightroomで、ISOプリセットを作る際も、EOS Rより遥かに強くノイズリダクションを掛けていることに気がつきました。
よーくみていると、遠景の細かな模様もモヤモヤしていますし、全然解像している感じもしません。
額に飾られた絵画を撮影していても、額と背景がとろけるような時もありました。
どんどんR5への不審が募っていきます。
つい先日、バスケの3on3を撮影しました。
ISO3200での撮影です(人様に渡す写真だと、この感度が限界)。
試合と試合の合間に、目印になるようにキャップをしたままシャッターを切って、真っ黒い画像を入れるようにしています。
……それが、黒くないんです。ISO3200のF2.8。シャッター13秒。この程度の感度と露光なら、普通は真っ黒なんです。
なんか、変な模様が見えるんです(※後で原因が分かります)。
その後、自宅で再現テストです。
マニュアルにして、ISO感度を変えながら、30秒の露光を繰り返します。
EOS Rの時は、ホタルを撮ったりするのに30秒露光を繰り返すことがあります(もっとも、ホタルの時はISO100ですが)。当然、感度が上がるにつれノイズ量は増えていきますが、ISO12800ぐらいまでは、まぁ、許容範囲と思えるハズだと信じていました。
カメラの温度が低い内は、まぁまぁ許せるものの。色々テストして撮影枚数が増えてくると、ガンガンにノイズが乗ってきます。そして、赤や緑の半固定みたいなノイズ。ホットピクセルっぽいものが無数に見えます。
ある程度出るのは致し方ないことだと思いますが、購入して半年にも満たない新品で、数えられないぐらいの輝点ってどうなのー! って感じです。
Canonの修理受付サイトを見ても「撮影出来ない」「エラーが出る」などの項目はありますが「撮影出来るが画質が悪い」なんてものはありません。
「その他」もないので、どうしようかと思ってました。
例年なら、銀座のCanonに行って係の方と話をする事ができるのですが。外出自粛中ですし、そもそも予約をしないと受付すらして貰えません。
もうしょうが無い。大分(Canonの工場)に直接送ってやる!
と言うわけで、Canonのサイトから修理予約(引取修理サービス(セルフ梱包)を申込み。
指定日に、ヤマトのお兄さんが段ボール箱を持ってきてくれました。
この中には、緩衝材と、送付票などがセットになっており、本体を入れて送り返すだけで修理の申し込みが完了する優れものです。
サイトには、2750円と書かれていますが、最後に修理の料金と合算して処理されるため、送付まではお金の用意は必要ありません。
段ボール箱の送付(無料)、発送(着払い)です。途中、追加の資料やデータの送付を指示された場合も、着払いで送る用に指示されます(修理センターから指示された場合)。
大分工場に到着までは、ヤマトの伝票番号で検索しまくり。到着してからは、Canonの修理ポータルからステータス変更を見守りまくりました。
私の場合、到着から1週間後にメールが届きました。
「再現しないから、追加データ頂戴」
なるほどなるほど。
箱には余分なものを入れずに送れと書かれていたので、必要最低限の書類と、現象を確認した画面のキャプチャを印刷して送りました。
自分のデータの中で、ワーストケースのものを印刷して送ったので、それが工場で再現しないのもしかたありません。
手元にある画像を掘り起こし、いろいろ見比べます。
また、Canon純正以外のツールを使ったものは、当然保証範囲外になります。純正ツールのDPPをダウンロードして、改めて確認作業を行いました。
すると、面白い事が分かってきました。
DPPとLightroom(Camera RAW)で、同じような傾向を示すものと、Lightroomだけで目立つものが有るのです。
なんか、変な模様が見えるんです。
これは、Lightroomでレンズ補正データをONにすると、歪み補正の結果「ランダムだったノイズの点に規則性が出て、模様に見えてしまう」という事が分かりました。なるほど、これはCanon悪くない。
というか、Lightroom(Camera RAW)はEOS RPより後の機種は、まだ「マッチングプロファイル」が提供されていないのでしかたないですね。
さて、改めてDPPでRAW画像を見ていくと、Lightroomで見たときほど画質が悪くないことに気がつきます。
とは言え、EOS Rに比べてR5の方が2段ほどノイズが多いことには変わりありませんし、ホットピクセルも多く見られます。しかし、即これが故障レベルかと言われると疑問でもあります。うーん。
可能な限りデータを送ったので、あとは「故障」とするか「正常範囲内」と見るかは、修理の方に委ねたいと思います。