以前から縦グリップ一体型のEOS R上位機種(R-1だと思われていた)の噂がありましたが、本日正式にEOS R3として開発発表がありました。
SONYがα1を発売し、NIKONはZ9の開発発表をしていますから、Canonとしても負けてはいられません。更にこの後、EOS R-1が控えているかと思うと、まだまだ上があるんだ!というメッセージを感じ取れてムネアツです。

R3は高速・高感度・高信頼性をコンセプトとしたモデルだそうです。

まずは、高速というキーワードについて。
「電子シャッター撮影時においてAF/AE 追従で最高約30コマ/秒」です。
R5でも、RAW動画で撮影していれば、後からRAWファイルとして切り出せましたから、エンジンのDIGIC X単体で、毎秒30コマを処理する能力がありました。これはRAW動画として出力するか、単体ファイルとして出力するかの違いでしょう(とは言えAF/AE追従具合が、動画と静止画では違います)。
もっとも、50MB程度のファイルを毎秒30枚書き込めるストレージじゃないと、あっという間にバッファがパンクしますね!

「電子シャッターによる像の歪みを大幅に抑制するとともに」と記載があるので、R3では、センサーからの読み出し速度を更に向上させているようです。
R5は、もともと読み出し速度が速いのですが(およそ1/60)、これほどしっかり記載するという事は、SONYのα9や、α1の積層型CMOSセンサーと同等レベルまで速度を引き上げてきたのだと思います。個人的には1/250を達成してくれると、機械式シャッターは不要になる気がします。電子先幕シャッターだと、どうしてもケラレが出たりするので、どうせなら完全電子シャッターの方が使いやすいですね。
良く見たら、積層型CMOSセンサーって書いてあります。なので、恐らく1/125は達成している気がします(ただし、高速な電子シャッターを使用する場合は、ダイナミックレンジが犠牲になっている可能性アリ)。

続いて、高感度。
特に明言がないのでR5/R6と同程度か、裏面照射CMOSセンサーなので、これにちょっと色を載せた程度かと思います。画素数が記載されていないので、現行機種より1/3段程度良いレベルではないでしょうか。
ボディが大きく、放熱しやすいので、その辺の下支えは良くなっていると思います。
高感度を謳うぐらいですから、噂されていた8000万画素クラスの高画素カメラではないと思いますが、かと言って、1Dx3やR6の2000万画素をそのまま持ってくるとも思えません。
動画に関してもハイアマのニーズに応えると記載があるので、4500万画素以上で8k対応してくるのでは無いかと思います。

最後に、高信頼性。
縦グリ一体型は、業務用(プロ機)ですから、防塵防滴や、メディアスロットの作り、バッテリの着脱部分なども他シリーズとは一線を画します。
正面写真を見る限り、モードダイヤルはありません(R5/R6にもありません)。
左肩にボタンの突起が見えるので、EOS-1系の操作を踏襲していそうな気がします(R5/R6は電源スイッチ)。慣れるとあの2ボタン式は、暗闇の中でも操作できるので、とても便利なんですよね。何かに当たっただけでは設定が変わりませんし、個人的にはとても嬉しい操作系です。

 

新しいところでは、視線入力の復活です。
フィルム時代のEOSに採用されていましたが、デジタル時代では初搭載です。ちょくちょく特許情報が出ていたので、ようやく来たか!という感じです。
AFセンサーが別体だった一眼レフと異なり、現在はデュアルピクセルCMOSとなり測距点と言う概念が希薄になるほどフォーカスポイントが増えました。それをどうサポートしてくれるか楽しみです。
R5/R6の被写体認識は優秀なので「人」や「動物」を撮る分には、オートで良い感じもします。
複数人を撮るときに、どの人にAFを持っていくか。そんなときにサッと使えると便利そうです。

そうそう、この瞳AFもアップデートが入ります。瞳や頭部以外にも「胴体」も認識するようになるようです。スポーツなど、被写体が大きく動くような撮影では、有効ですね。
この辺は、ファームウェアアップデートでR5/R6にも降ってくる気がします!

 

個人的に、現行R5の描写は余り好きではないので、この辺の描写が初代Rみたいな感じだったら、買い換えを検討してもいいなぁと思います。
まぁ、60万円は下らないと思いますが……。