昭和17年(1942年)
JASRAC No.000-0598-3
明日はお立ちか
作詞:佐伯孝夫(C)
作曲:佐々木俊一(PD)
歌唱:小唄勝太郎
MIDI制作:滝野細道

故郷をあとに・・・・・


(一)
明日はお立ちか お名残り惜しや
大和男児(おのこ)の 晴れの旅
朝日を浴びて いでたつ君よ
おがむこころで 送りたや


(二)
胸の手綱を しみじみとれば
胸にすがしい 今朝の風
お山も晴れて 湧きたつ雲よ
君を見送る 峠道


(三)
時計みつめて 今頃あたり
汽車を降りてか 船の中
船酔いせぬか 嵐は来ぬか
アレサ夜空に 夫婦星


懐メロ  童謡・唱歌  八洲秀章&抒情歌   *09/SEP/07 「細道のMIDI倶楽部」TOPへ
Photo taken by Hosomichi
この「明日はお立ちか」は軍歌ではありませんが、新妻が夫を戦地に送る心配と憂慮に満ちた惜別の歌
を思わせる、佐々木俊一にしては短調のメロディーです。しかし佐伯孝夫の歌詞の方は、一番、二番の
一行目と三番を除き、明るい壮行の歌となっています。佐伯孝夫の戦前戦後を通じた歌詞を見ればこう
した詞の中の矛盾は考えられないことです。細道としては、これは昭和17年という戦雲厳しき当時の状
況を考えれば、内務省の検閲を通らず、急遽書き直したものと思っています。そしてこの唄は<出征兵
士壮行の唄>として大ヒットしたものと思われます。このことは、昭和39年に三沢あけみのためにリメイ
クされヒットした「明日はお立ちか」のために改作された歌詞がメロディーや曲想にフィットしているのを見
れば、容易に想像できることです。昭和39年当時作曲の佐々木俊一は死亡しており、メロディーは戦前
のままでしたが、佐伯孝夫は積年の悩みを拭えたと言えるでしょう。