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あわて床屋の出来るまで |
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(一) 春は小田原【注1】 本町通り 松っつぁん【注2】店だし 伊勢床でござる ちょっきん ちょっきん ちょっきんな |
(五) 後日白秋さん 伊勢床【注3】に入り 「おやじこれ見ろ こんな唄【注5】できた」 ちょっきん ちょっきん ちょっきんな |
(二) そこへ白秋さん【注4】 お客にござる どうぞ急いで ヒゲあたっておくれ ちょっきん ちょっきん ちょっきんな |
(六) おやじこたえて 「俺ぁ鼻ちょと切るが 耳を落とすよな ヘマなぞしねえ」【注6】 ちょっきん ちょっきん ちょっきんな |
(三) 春の陽だまり うつらうつらの白秋さん ものに驚き がばっと起きる ちょっきん ちょっきん ちょっきんな |
(七) 白秋さん怒るし 松っつぁん恥ょかくし しかたなくなく 奥へと逃げる ちょっきん ちょっきん ちょっきんな |
(四) おやじゃあわてて 剃刀ぉ引くが 鼻のあたまに ちょと血がにじむ ちょっきん ちょっきん ちょっきんな |
しかたなくなく 奥へと逃げる ちょっきん ちょっきん ちょっきんな あ ちょっきん ちょっきん ちょっきんな |
2008/MAY/03 「あわて床屋 |
【注1】小田原=神奈川県小田原市 【注2】松っつぁん=伊勢谷音松さん、 【注3】伊勢床=伊勢谷理髪店 【注4】白秋さん=北原白秋 【注5】こんな唄=この「あわて床屋」 【注6】耳を落とすよなヘマ=白秋は当時 <木菟の宿>(みみづくのやど) という庵を結んでおり、松つぁん はそれに掛けて皮肉った。 |