Photoes by T. Hosomichi
今では「銀座の柳」と聞くと、「東京行進曲」の方を思い浮かべる人が多いですが、さもありなん、この唄は作詞作曲も「東京・・・」と同じ、西条八十・中山晋平のコンビで作られた「東京・・・」の大ヒットに触発された続編であったからです。「東京・・・」の歌詞の冒頭に、♪むかし恋しい銀座の柳♪、とあるように、昭和4年当時、銀座には柳はありませんでした。この唄の大ヒットで、銀座に柳並木を復活させようという機運が盛り上がり、昭和12年になって、<銀座の柳並木>が復活しました。この「銀座の柳」の唄はその完成を記念して作られたもので、それなりのヒットはしましたが、曲想が限定されており、二番煎じの感は否めず、「東京行進曲」の影に埋もれて行ったのは仕方のないことでした。写真の銀座の柳は4代目の若いものです。
昭和12年
               

     JASRAC Code No.024−0339−1


     銀座の柳

     
   作詞:西条八十

   作曲:中山晋平
   歌唱:四家文子
   制作:滝野細道

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    植えてうれしい 銀座の柳
    江戸の名残りの うすみどり
    吹けよ春風 紅傘日傘
    今日もくるくる 人通り

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    巴里のマロニエ 銀座の柳
    西と東の 恋の宿
    誰を待つやら あの子の肩を
    撫でてやさしい 糸柳

     
(東京行進曲の間奏)

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    恋はくれない 柳は緑
    染める都の 春模様
    銀座うれしや 柳が招く
    招く昭和の 人通り



     *08/5/5

    お家に帰ろう東京行進曲