オラ家さ帰るだ

野口雨情は伊豆大島へ渡ったことが無く、それが証拠に波浮の港から夕焼けは見えないはずだ、と主張している人がいますが、その論はこの歌の素晴らしさを聊かも損なうものではありません。確かに波浮の港の西南側には陸地が大きく張り出していて、海に沈む夕日の夕焼けは見られないかも知れませんが、上の写真のように(この写真は茅ヶ崎の海岸から伊豆方面を撮影したものです。)山に沈む夕日は見えますし、空の雲が一面真っ赤になる夕焼けだってあります。さらに波浮の港近辺に「鵜」はおらず、日暮れにゃ帰らない、などとしつこいことを言う人もいますが、現在は開発されて営巣地も少なくなっているのは確かでしょうが、当時もそうだったかと言うのを確認した上での発言とは思われない。と弁護しては見るものの、この歌が<素晴らしい>ゆえのイチャモンであると思えば、腹も立たないでしょう。

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        Photo by Hosomichi 茅ヶ崎海岸

  【著作権消滅曲】

  波浮の港
  (大正13年)

  作詞:野口雨情(PD)
  作曲:中山晋平(PD)
  歌唱:藤原義江
  MIDI制作:滝野細道

         
  磯の鵜の鳥や 日暮れにゃ帰へる
  波浮の港にゃ 夕焼け小焼け
  明日の日和は ヤレホンニサ
  凪ぎるやら

  船も急かれりゃ 出船の仕度
  島の娘たちゃ 御神火ぐらし
  なじょな心で ヤレホンニサ
  居るのやら

  島で暮らすにゃ 乏しゅうてならぬ
  伊豆の伊東とは 郵便だより
  下田港とは ヤレホンニサ
  風だより

  風は潮風 御神火颪(おろし)
  島の娘たちゃ 出船のときにゃ
  船の纜(ともづな) ヤレホンニサ
  泣いて解く

  懐メロ  童謡・唱歌  八洲秀章&抒情歌  *2008/MAY/09   「細道のMIDI倶楽部」TOPへ