昭和29年(1954年)     JASRAC No.007-0072-0
伊豆の踊り子 松竹映画「伊豆の踊り子」主題歌


作詞:木下忠司
作曲:木下忠司
歌唱:美空ひばり
MIDI制作:滝野細道



【1コーラス分前奏1】

(一)
三宅(注1)出るとき 
(だれ)が来て泣いた 石のよな手で
親さまが

(二)
まめで暮らせと 
ほろほろ泣いた 椿ほろほろ 
散っていた 散っていた


【1コーラス分間奏2】

(三)
江島生島(えじまいくしま)(注2)
分かれていても こころ大島 
燃ゆる島 (−−−)

(四)
おらが親さま 離れていても
今度逢うときゃ 花も咲く

【1コーラス後奏3】
  

 【川端康成著:『伊豆の踊子』大正15
 年1月〜2月文芸時代より】
 踊子は十七くらいに見えた。私には
 分からない古風の不思議な形に大き
 く髪を結っていた。それが卵形の凛々
 しい顔を非常に小さく見せながらも、
 美しく調和していた。髪を豊かに誇張
 して描いた、稗史的な娘の絵姿のよう
 な感じだった。

 童謡・唱歌  懐メロ  八洲秀章&抒情歌
   *10/JUL/12
 「細道のMIDI倶楽部」TOPへ
 Illustration by Hosomichi

 
この歌は、美空ひばりが歌う(一)、(二)、(三)、(四)の部分と、【前奏1】、【間奏2】、【後奏3】の部分のメロディーがほぼ同じですので、楽器・音量などで調節してありますが、カラオケなどに使用される場合はご注意ください。
三浦洸一の歌った「踊子」(喜志邦三作詞、渡久地政信作曲)は、主人公が踊子に天城で逢って下田で分かれるまで、川端康成の小説<伊豆の踊子>をほぼ忠実に再現していますが、この「伊豆の踊り子」は、「越後獅子の唄」と同じように親から遠く離れて旅芸人として転々としなければならない境遇を強調して、訥々として歌っているのが特徴です。
(注1):小説原作では、踊子は甲斐の出身で、親族が伊豆大島に住んでいることになっていますが、映画では、三番に出てくる<江島生島>事件(江島は絵島とも言う)の歌舞伎役者生島新五郎の遠島となった島が三宅島だったことが意識されているのでしょう。
(注2):<江島生島事件=絵島生島事件>は江戸中期に起こった大奥の御年寄(最高位にある奥女中)であった絵島と歌舞伎役者生島新五郎との不倫事件とされるものです。現在では大奥の主導権争いのための完全なでっち上げであるという説が大勢ですが、事件は時の幕府の中枢新井白石や老中にまで及び、大粛清となったのです。多くの幕臣が処断された中で、絵島は信州高遠藩お預け、生島新五郎は三宅島へ遠島、新五郎の山村座は座元が伊豆大島遠島、座は廃座となり、1500名余が処罰されたという大事件でした。