みかんの花
みかんの花咲く丘は極めて短時間に作詞作曲され、大ヒットとなった曲のようです。何しろ、NHKの「空の劇場」という伊東からの放送番組で当日になっても川田正子の歌う歌がなく、作曲者の海沼実から伊東生まれの加藤省吾が呼ばれ、伊東の歌を作らせて間に合わせようとしたのでした。加藤は海沼の目の前で苦吟して、とにかく少年の頃のみかんの花が咲いていた故郷の丘を思い出し、やっと海沼の伊東への出発直前に出来上がったのでした。
海沼実はその詩をひっ掴むと列車に飛び乗りました。伊東に着くまでに作曲しようというのです。小田原を過ぎてもまだ書けません。小田原ー熱海の間で窓外の風景を見ているうちにふっと最初のメロディーが浮かびました。後は一気呵成。伊東から川田正子の声に乗って、全国に「みかんの花咲く丘」が流れた直後、電話など余りない時代にNHKには電話が殺到。全国的な大ヒットとなって行ったのです。海沼実には「里の秋」でも同じような話があります。海沼実伝はこちら海沼実[里の秋]誕生秘話
 Illustration & WA by Hosomichi
みかんの花咲く丘

   昭和21年(1946年)  JASRAC Code No.083−0015−1

 


  作詞:加藤省吾(C)
  作曲:海沼 実(C)
  歌唱:川田正子
  MIDI制作:滝野細道


 (一)
 みかんの花が 咲いている
 思い出の道 丘の道
 はるかに見える 青い海
 お船が遠く かすんでる

 (二)
 黒い煙を はきながら
 お船はどこへ 行くのでしょう

 波にゆられて 島のかげ
 汽笛がぼうと 鳴りました

 (三)
 いつか来た丘 母さんと
 一緒にながめた あの島よ
 今日も一人で 見ていると
 やさしい母さん 思われる




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