この「夏は来ぬ」を私のパソコンで打ち出すには、一回で変換しようとしたら<な−つ−は−こ−ぬ>とインプットしなければ変換できません。<な−つ−は−き−ぬ>では、先ず「夏は絹」と変換されてしまいます。もちろん、この曲名「夏は来ぬ」は<なつはきぬ>で、「夏が来た」の意味です。<なつはこぬ>と読むのは、例えば「来ぬ人」などと使いますので全くの間違いとは言えませんが、普通の文章や詩歌の中で「夏が来ない」という意味には<なつはこず>と使います。これはこのまま「夏は来ず」と変換されます。
それにしても、正しい日本語の<なつはきぬ>は変換されないのに、間違った表現の<なつはこぬ>が<夏は来ぬ>と容易に変換されてしまうのも変な話です。原因ははっきりしています。多くの日本語変換ソフトが、文語もしくは文語的表現を除外してしまっているからです。<早や日も暮れぬ>を、「日も暮れない、というのに何で‘早や’なんかが付くのだろう?」の時代がそこまで来ています。同じことは古今和歌集、藤原敏行の「秋来ぬと 目には清かに 見えねども 風の音にぞ 驚かれぬる」にも言えます。ゲイツ帝国
夏は来ぬ
作詞:佐々木信綱
作曲:小山作之助
制作:滝野細道
(一)
卯の花の におう垣根に
時鳥(ほととぎす) 早も来なきて
忍び音もらす 夏は来ぬ
(二)
さみだれの そそぐ山田に
早乙女が 裳裾(もすそ)ぬらして
玉苗(たまなえ)ううる 夏は来ぬ
(三)
さつきやみ 蛍とびかい
水鶏(くいな)なき 卯の花さきて
早苗うえわたす 夏は来ぬ
只今JAVA停止中
とまっているホタルをマウス(鼠)が追い掛けると逃げます。