昭和49年(1974年)     JASRAC No.036-5984-4
酒場にて

作詞:山上路夫
作曲:鈴木邦彦


 歌唱:江利チエミ
 MIDI制作:滝野細道


(一)
好きでお酒を 飲んじゃいないわ
家(うち)にひとり帰る時が 怖い私(あたし)よ
あのドアを開けてみたって あなたはいない
暗い闇が私を 待ってるだけよ
また長い夜をどうして すごしましょう
愛の香りも 消えたあの部屋

 江利チエミ(えり ちえみ、本名:久保智恵
 美、昭和12年(1937年)1月11日〜昭
 和57年(1982年)2月13日、東京都台
 東区出身)は、昭和27年15歳のとき「テ
 ネシーワルツ」でレコード・デビューをしま
 した。翌年美空ひばり、雪村いずみととも
 に<三人娘>と呼ばれ、歌、映画、舞台、
 ショーなどに幅広く活動し、特に<サザエ
 さん>は終生の当たり役となりました。絶
 頂期の昭和34年大スター高倉健と結婚し
 ましたが、昭和46年(1971年)自身の実
 家の多額の負債のため<愛しながらの別
 れ>でチエミの申し込みによる離婚となっ
 た、といわれています。またこの時期、NH
 Kとの<紅白歌合戦>の問題が起こり頑
 なに出場辞退するなどがありました。この
 「酒場にて」はそうした失意のどん底で酒
 に溺れているときに作られた、まさにチエ
 ミの心境吐露のままの歌と細道には思わ
 れます。作詞の山上路夫がその辺を考慮
 に入れたかどうか分かりませんが、チエミ
 はこの歌の7年後、泥酔して吐瀉物が気
 管に詰まって窒息したのが原因といわれ、
 若くして亡くなりました。葬儀の際、道の反
 対側に佇む高倉健の姿があったと・・・・・・


(二)
どうぞお店が 終わるときまで
ここにおいてひとりだけで 飲んでいるから
死ぬこともできず今でも あなたを想い
今日もひとり酒場で 泣いてる私(あたし)
また長い夜をどうして すごしましょう
愛の香りも 消えたあの部屋
 *
(冒頭2行間奏)
 *
死ぬこともできず今でも あなたを想い
今日もひとり酒場で 泣いてる私
また長い夜をどうして すごしましょう
愛の香りも 消えたあの部屋

八洲秀章&抒情歌 童謡・唱歌 懐メロ  *10/DEC/03 「細道のMIDI倶楽部」TOPへ

分からないと言えば、作曲の鈴木邦彦が意識したかどうか分かりませんが、この曲の根幹をなす最初
の2小節♪好きでお酒を飲んじゃいないわ♪の部分のメロディーが、メンデルスゾーンの無言歌集第2
巻の 「ヴェニスの舟歌」に想を得たのではないかと思わせるところがあります。当倶楽部の「ふたつの
ヴェニスの舟歌」の後半のものを参照。