「証城寺の狸ばやし」の証城寺とは、木更津市にある<浄土真宗 本願寺派 護念山 證誠寺>のこととされています。木更津には昔から<狸ばやし伝説>があって、大体歌詞のようですが、この伝説の最後は『・・・和尚さんとポンポコ踊りを競っていた狸たちが、ある晩突然来なくなった。心配した和尚さんが翌日探し回って見ると、庫裡の床下にリーダーの大狸がお腹の皮が破れた姿で死んでいた。憐れに思った和尚さんは手厚く葬った』というものです。それを、木更津に来た野口雨情が聞いて、「証城寺の狸ばやし」として童話誌「金の船」に掲載し、中山晋平が曲をつけました。これは童謡から出たものとしては、世界に最も知られた歌でしょう。<證誠寺>が<証城寺>となった経緯には諸説あって、@雨情が参考にした書籍が間違っていた、A我が旦那寺の和尚さんが狸と踊ったなんて、とクレームがついた、B最初から<證誠寺>と特定されないよう雨情自身が配慮した、というものです。
証城寺の狸ばやし
作詞:野口雨情(PD)
作曲:中山晋平(PD)
MIDI制作:滝野細道
(一)
しょしょ 証城寺
証城寺の 庭は
つ つ 月夜だ
みんな出て
来い来い来い
おいらの友だちゃ
ポンポコポンのポン
負けるな 負けるな
和尚さんに 負けるな
来い来い来い来い来い
みんな出て
来い来い来い
(二)
しょしょ 証城寺
証城寺の 萩は
つ つ 月夜に
花ざかり
おいらも うかれて
ポンポコポンのポン
「野口雨情童謡の世界」