昭和７年(1932年)
	JASRAC No.054-0065-1
天国に結ぶ恋
作詞：柳　 水巴 作曲：林　 順平 歌唱：徳山　 �l／四谷文子 制作：滝野細道 (一）【男】 今宵名残りの　三日月も 消えて淋しき　相模灘 涙にうるむ　漁火（いさりび）に この世の恋の　はかなさよ (二）【男】 あなたを他所に　嫁がせて なんで生きよう　生きらりょう 僕も行きます　母様（かあさま）の お傍へあなたの　手を取って (三）【女】 ふたりの恋は　清かった 神様だけが　御存知よ 死んで楽しい　天国で あなたの妻に　なりますわ （四）【男・女】 いまぞ楽しく　眠りゆく 五月（さつき）青葉の　坂田山 愛の二人に　ささやくは やさしき波の　子守唄
*08/AUG/18

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世に昭和三大心中事件と言われるものがあり、＜精進湖心中＞、＜坂田山心中＞、＜天城山心中＞の三つだそうです。最近も心中事件はありますが、男女交際が比較的自由な現代と違い、＜男女七歳にして席を同じゅうぜず＞の時代の心中は、ロミオとジュリエットのように両家の男女が家の確執・格式や世間体に縛られて引き裂かれるようなものが多く、世間の同情をかいました。このうち＜精進湖心中＞と＜坂田山心中＞は映画化され、この「天国に結ぶ恋」は＜坂田山心中＞を松竹映画が同名で映画化（五所平之助監督）したものの主題歌です。坂田山は神奈川県大磯町の山間で、遺書に＜天国で結ばれたい＞とあったそうです。＜精進湖心中＞は「青葉の夢」という題名で映画化されました。