山寺の和尚さん | |
作詞:久保田宵二(©消滅) 作曲:服部良一(C) 歌唱:クラウン少女合唱団 MIDI制作:滝野細道 |
Illustrated by Hosomichi |
(一) 山寺の和尚さんが 鞠はけりたし 鞠はなし 猫をかん袋に 押し込んで ポンとけりゃ ニャンとなく ニャンがニャンとなく ヨーイヨイ |
|
(二) 山寺の小僧さんが 町へ行きたし ひまはなし ねずみ相手に 木魚うち ポンとなきゃ チュンとなく チュンがチュンとなく ヨーイヨイ |
(三) 山寺のまめだぬき 腹はすいたし えさはなし 丸いおなかを ちょいとなでて ポンと打ちゃ グーとなる グーがグーとなる ヨーイヨイ |
*10/APR/13 | |
この「山寺の和尚さん」で現在一番問題になっているのが<猫をかん袋に 押し込んで>という箇所です。一つは『かん袋って何?』というのと、もう一 つは愛猫家を先頭に『猫を虐待するような歌を童謡としておいて良いのか』 というものです。かん袋は<かみふくろ=紙袋>が訛ったもので、かん袋は 昔は当然和紙だったのですから、とても丈夫で、猫を入れて蹴飛ばしたくら いでは破れなかったのです。次の<動物虐待を含んだ童謡>云々というの は難しい問題です。確かに人間の楽しみのために動物をかん袋に押し込ん で蹴っ飛ばすというのは、今では動物虐待です。しかしこれが猫や犬だから という発想ですと、じゃあ次に出てくる鼠や狸だったらどうなんだ?挙句の果 てに、スペインなどで人間の娯楽のためにやっている、闘牛はどうなんだ? となってしまいます。名画<黒い牡牛>は動物虐待映画であるから成人映 画とすべきである、と。 歌は童謡も含め時代の証人です。その時代の人々 の生活、文化、風俗の中に息づいていたものですから、現代の知恵をもって 否定するのはいかがなものでしょうか。そういうことが何の問題ではなかった 時代があったと認識することが歴史を現代に生かすことだと思われます。古 い諺『温故知新』が現代でも生きているように・・・ と、以上童謡であることを前提に述べてきましたが、実はこの童謡には元歌 があって、童謡どころかジャズ調の<戯れ歌>だったのです。さらに不思議 なことに、童謡の作詞者が<不詳>なのです。多分服部良一が二、三番を 付加して童謡としたのではないかと言われていますが、当倶楽部では元歌 の一番を久保田宵二が<わらべうた>から引用したことが分かっています ので<作詞:久保田宵二>としています。 動物虐待?「山寺の和尚さん」 |